プレミアムバンダイ・ホビーオンラインショップというと、ガンプラに関しては主に一般販売されたキットの成型色変更や一部新規パーツを交えたバリエーションキットを受注限定で販売する、というのがほとんどでした。 完全新規造型のフルパッケージキットが発売されたのは、2015年7月のメガバズーカランチャーが初めてだったかと思います。 もっとも、それはあくまでオプションの単品発売であり、さすがにMS本体の完全新規造型キットをいきなりプレバンで出すようなことはないだろう、というのが大方の見解だったのではないでしょうか。 しかし、2018年6月にウーンドウォートが発売になり、状況は混沌としてきました(笑)。 そして今回、ついにMGでMS本体の完全新規造型キットが登場することに。 それも、まさかのガンダムF90。 F90 A toZ PROJECTと銘打ち、全26種のミッションパックをすべてキット化する流れのようです。 ……いやこれ、マジか? ものすごい賭けですよ。正直、正気の沙汰とは思えないんですが…… まぁそれはともかく、最初にF90についてざっくり整理しておきましょう。 1991年に劇場公開された “機動戦士 ガンダムF91” のMSV企画の一環として、その前年からプラモデルメインに展開されたのが “機動戦士 ガンダムF90” です。 ただ、当初は主役機であるガンダムF90や一部のオプション(ミッションパック)のデザインが発表されたくらいで、細かい設定や物語は以降、ゲームなどを通じて徐々に補完されていったという印象です。 主役機となるガンダムF90は、初代ガンダムを彷彿とさせるオーソドックスな本体に、様々な用途に特化したミッションパックを外付けオプションとして装着させることであらゆる状況での運用を目的とする、実験機的意味合いの強い機体になっています。 ミッションパックは頭文字がそれぞれのアルファベットに対応したA~Zの26種類が存在することになっていますが、現状では半数以上でその詳細が明らかになっていません。 旧1/100スケールキットでは、A、D、Sの3パックと本体のセットと、P、V、そして2号機を本体としたLパックがそれぞれ単体で発売されています。ほかゲームなどに登場し、設定画が起こされたものにH、M、Iなどがあります(ほかにもなにかあったかもしれませんが、僕が知っているのはそれくらい)。 今回は、F90本体と同時にEとSの2パックのセットが発売されています。 Eパックついては、ビジュアル含めた詳細が初めて明かされたことになるのかな? このあとは、11月には詳細が判明済みのMパックと不明だったFパックがやはりセットで発売されますし、しばらくはそのようなかたちでのリリースが続くのかと思われます……が、果たして本当にコンプリートされるのだろうか? レビューに移ります。 今回はまず、F90本体のみで。 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと水転写式デカールでの仕上げです。 なお、同時発売のミッションパックセットのパッケージはいつもの2色刷り、説明書は組み立て図のみ記載のモノクロです。 いやいや、新規作り起こしもあるミッションパックにこそ解説が必要なのに…… 全体の雰囲気は逆襲のシャアまでに登場した(第4世代以前の)MSとはけっこう違っていて、細みの手脚に曲線が多用された独特のデザインになっています。とくにボディラインは大半が角張っていた歴代ガンダムたちとは明らかに違いますね。 あと、とにかく配色が細かい。色数自体は多くないんですが、白地に満遍なく他の色が散りばめられていて、わりと派手に見えます。 このあたりは、UC80~90年代の恐竜的進化を経て小型軽量化へとシフトしたMS……いわゆる第5世代MS、まさに新世代のガンダムのデザインということでいろいろと試行錯誤があったのかもしれません。 さすがに顔はガンダムタイプの基本形ですが、シルエットは初代RX-78ガンダムよりはガンダムMk-Ⅱに近いかな。脛の後ろ側のフレームが剥き出しのところなんかも含めて。 第5世代MSの全高は平均15m前後と、一年戦争期のMSよりもさらに一回り小型になっています。 今回はMGなので、当然1/100スケールなんですが、ちょっと大きめのHGくらいのサイズしかありません。 そのせいもあるんでしょうが、MGながら内部フレームの再現はほぼ見送られています。しかし一方で、組んでしまうとまったく見えない球形コクピットがクリアパーツ製だったり(コクピットハッチの開閉ギミックはありますし、内部にパイロットフィギュアも座ってます)、足首の関節や足の甲の内部に懐かしのメッシュパイプを使っていたりと謎のこだわりも。 ただ色分けに関してはほぼ完璧で、全身に散りばめられた各部スラスターの内部までしっかりパーツ分割で再現されています。 さすがにツインアイやセンサー、各部の三角マーキングや足首アーマー中央の黒などはシール補完になりますが、それでも現時点で最高峰の色分け再現度であることは間違いないです。 武装・ギミック 各種ミッションパックの装備が前提なので、F90本体の武装は至ってシンプル。 固定武装は頭部のバルカンのみで、携行武器もガンダム3種の神器とでもいうべき王道となっています。 ビームライフル ビームサーベル シールド 一応、可動式のグリップもありますが、ハンドパーツのみでの保持はほぼ不可能です。 裏面にはビームライフル用のエネルギーパックを2個マウントできます。 ハードポイント・マウントラッチ 腰部可動 でもこれ、フロントアーマーをごっそり動かす必要はあるんだろうか? 小型機のキットとはいえでかいHGくらいのサイズはあるんだし、クリアランスが確保ができなかったわけでもないだろうしなぁ…… あと、MGなんだし股関節は左右独立して動いてほしいかったです。 比較画像 ちなみに、F90の物語では主人公デフの相棒、シドがF90の2号機を奪われたあと、このギラ・ドーガの改修機に乗り換えています。 ヘビーガンのプロトタイプとかなかったのかな? 以下、イメージカット でも、前腕やバックパック以外のハードポイントにも装着できるので、複数あれば面白い使い方もできそうです。 腰部の3軸可動に腹部や脚部の可動も優秀なので、立て膝も自然に決まります。もちろん、足首も柔軟に動くため接地性もばっちりです。 ちなみに、説明書のショートストーリーの画像ではその誤認のエピソードを再現するためか、ジオラマ画像にMG ザクⅡ Ver.2.0とゲルググ Ver.2.0を使用したうえで暗く加工してあります。 でも、今後このA to Z PROJECT が展開していくなかでRFシリーズのキット化も万に一つの可能性としてはあるかもしれない。 設定を無視すれば、フレーム流用の外装新規でザク、グフ、ゲルググはいけますもんね。ドワッジの先例もあるから、ドムとデザートドムも不可能ではない。 ズゴックだけはどうやっても無理そうだけど…… 以上、“MG ガンダムF90” でした。
まさか、令和になってF90の全貌を詳らかにするプロジェクトが始動することになろうとは…… しかしこれ、なかなかにリスキーな企画ですねぇ。 全26種て……10種類くらいならまだ現実的だけど、未だかつて1機のMSのバリエーションで、同一カテゴリで26種類も立体化されたものがあったのだろうか? まぁ、ミッションパックに関して思うところ……というかむしろそこに対して思うところがほとんどなんですが、それはまたE & Sパックのレビューのときに綴るとして、今回はまず本体のガンダムF90についてですね。 うん……これ、MGで出す必要あるかなぁ? というか、もはやMGってなんなんだ? って話でもあるんですが。 今となっては、MGの共通仕様ってコクピットハッチの開閉ギミックと内部のパイロットフィギュアくらいしかないような気がするんです。 もちろん、内部フレームの再現や間接と外装の連動可動など、モノによってはさすがMGというようなギミックが詰め込まれてるものもあります。 ただこのF90に関しては、とくにMGならではといえそうなギミックはありません。 メインギミックであるミッションパックの換装は、各種のハードポイントにそのまま取り付けるだけのお手軽なものですし、正直REで十分だった気がします。 コクピットハッチの開閉にどれだけの需要があるのかわかりませんが、そこをオミットして、ほとんど目立たないところにメッシュパイプを使うなどの謎のこだわりを捨てれば、REの定番価格3500円に十分抑えられたと思う。 のちのちの流用とかを考えると、MGのフォーマットのほうが都合がいいのかなぁ? 本当、基準がわからん。 とりあえずランナーの各所にスイッチが入っているので、2号機は確定のようですが、さすがに火星独立ジオン軍仕様は出ないだろうなぁ。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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