一般販売の通常版は4月発売だったんですが、買ったものの実際に作る前にプレバンでパラシュートパック仕様の発売がアナウンスされたので、どうせなら一緒にまとめてレビューしてしまうことにしました。 陸戦型ガンダム自体は、もう10年以上前に一度HGUC化されていますが、陸戦型ジムのバリエーションとして今回(もう4ヶ月も前ですが)再キット化。 もうREVIVEと銘打つことはないようですが、実質的なREVIVE……あるいはVer.2.0といったところです。BDシリーズと同じ流れですね。 BD-1ではゲーム版とコミック版、2種類の頭部が付属。BD-2ではニムバス機を再現する赤い肩アーマーが付属。BD-3ではジム・ドミナンスが使用した2連ビームキャノンが付属するなど、プロポーションや可動性能以外にも、なにかしら旧HGUCから追加要素があったんですが、陸戦型にはとくにそういったものはありませんでした。 その代わりだとでもいうのか、パラシュートパック仕様では完全新規のパラシュートパックのほか、陸戦型ジムとそのバリエキットであるジム・スナイパーに付属した武装類が大量に付属。 実にランナーほぼ2枚の追加で、わずか300円アップというお買い得商品となっています…… いや、お買い得っていっても定価だし。 これ、いわゆる完全版商法ってやつじゃないんですかね? 一般で発売した直後にこれってどうなの? ともかくも、レビューしていきたいと思います。 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと一部塗装での仕上げです。 でも、ここはその下のマルチランチャーと一緒に裏からはめ込む仕様にすれば色分けできたんじゃないかなぁ。 ほか、各部の三角マークもシールです。 今回は、劇中で最後までこの状態の機体に乗り続けたサンダース軍曹の搭乗機として、機体番号は “083” を選択。 付属武装等 ビームライフル 100㎜マシンガン ビームサーベル シールド 180㎜キャノン ランドセル(バックパック) ウエポンコンテナ 以上が、一般販売通常版の陸戦型ガンダムに付属する武装になります。 以下、パラシュートパック仕様の付属品です。 ロケットランチャー ネットガン ミサイルランチャー パラシュートパック 多分、パラシュートが収められているのだろう部分のカバーパーツが取り外せますが、とくに内部ディティールなどがあるわけではありません。 取り付けの際はランドセルのアームは展開させず、そのままパックを被せるかたちになります。 ジムヘッド 比較画像 まずはやはり、旧HGUCと比較。 旧HGUCは手脚に較べてボディが短く、全体のバランスが若干妙な感じでしたが、新版ではそのあたりはちゃんと調整され、まともなプロポーションになったと思います。 頭部も小顔になった一方でツインアイが大きくなり、ちょっと目付きの悪かった九番に較べて柔らかい印象に。 可動に関しては、確かに総合的には新版のほうが優れているのですが、旧版には新版にない肩間接の上方向への可動があったり、シールドの接続位置もL字ジョイントで2箇所から選べたりと、旧版にも見るべきところはあります。 色分けについては確実に進化しています。 以下、イメージカット 陸戦型ジムからBDシリーズとすでに5体以上作っている型なので、すでに少々食傷気味。 可動性能は、旧版と較べるとさすがに雲泥の差ですが、最近の標準レベルといったところ。 腹部が外れやすいのと、やっぱり肩の上方向への可動がないのは惜しい感じ。 首回りがけっこう窮屈なんですよね。ジムヘッドだととくに。 あと、コンテナを背負うとどうしても重心が後ろに傾くので、前のめりのポーズになりがちです。 集団イメージで何枚か。 陸戦型ガンダムといえば、片膝立ちで180㎜キャノンを構えるポーズが定番ですが、腹部可動があまり効果的でないぶん完璧とはいえませんが、それでもかなり自然に見えます。このあたりは太股と脛の長さのバランスなど、かなり計算されているんでしょう。 一方、素立ちだと違和感のあるEz-8も、動きのあるシーンに入れ込んでやればあまり気になりませんね。 各種武装も流用可能ですし、Ez-8用のパラシュートパックの規格はコンテナと同じなので、陸戦型ガンダムにも取り付け可能です。 以上、“HGUC 陸戦型ガンダム” でした。
通常版の発売からかなり時間が過ぎてしまいましたが、とりあえずレビュー完了です。 造型的にあまり出来がいいとはいえなかった旧HGUCから見事にブラッシュアップされ、主役機に相応しい男前に生まれ変わった陸戦型ガンダム。 キット自体はクセのない良キットなんですが、一般販売の通常版の完全上位互換がプレバンで、それもあまり間を置かずに発売されるというのはいあかがなものか? 最初にも完全版商法だといいましたが、本当、こういう売り方はやめてほしい。 ロケットランチャーとかはいいから、プラシュートパックだけ付けて定価2000円で一般販売でよかったんじゃないの? 武器ランナーと、地上戦セットから流用したホバートラックとかをセットにしてプレバンとかだったら、べつによかったと思うんですよ。 でも、どうせならパラシュートパックは全機に付けたいじゃないですか。 しかも通常版を発売した直後に発表とか、もっと期間が空いてたら感じかたも違ったかもしれないけど…… というか、この陸戦型ジムから続くシリーズ自体、ある意味オマケ要素みたいな気が、個人的にはしています。 はたして、今あらためて陸戦型ガンダムをリメイクする必要ってあったんですかね? 今さらのように陸戦型ジムを作ったから、そのついでにBDシリーズ、そして陸戦型ガンダムをリメイクしたのか? それともそれらのリメイクありきで、まず陸戦型ジムを作ったのか? まぁ、まず流用ありきが最近のバンダイのやり方ですから、コミック連載中のBDシリーズのリメイクありきの陸戦型ジムだったんでしょうが、どっちにしても陸戦型ガンダムはついでだったんじゃないかなぁ。 まぁ、そのおかげでグフ・フライトタイプもプレバンとはいえキット化されたわけですし、それはいいんですけどね。 ただ、もう少し売り方を考えてほしいのと、あとはやっぱり、同じ作品に登場する機体はあまり期間を空けずにキット化してほしいですね。系列機とか、見ためが似てる機体はとくにね。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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魔法がモチーフのメガミの第2弾になりますが、先に発売された相方がけっこう極端なデザインだったのに較べて、こちらはメカっぽさも増して、ちょうどいいところに落ち着いたと思います。 この文章を書いてる時点だと、マジカルガールの販売価格はわりと安定した感じですが、一時は半額以下になってたからなぁ…… さすがに狙い過ぎというか、ユーザーの求めていたものと多少ズレていたのかもしれないですねぇ。それに加えて、主にクリアパーツの品質がブレていたのも不味かったようです。 そんなマジカルガールと同コンセプトということで、今回紹介のウイッチも、今のところ相方ほどの急落はないものの、そこそこの安値で販売されています。 朱羅の例もあったので、早々に予約した身にすると、なんだかなぁという事態ですが。 ともかくも、レビューに移ります。 キットは素組みに付属シールでの仕上げです。 素体モード なお、胸部パーツのカラー部分の紫は、付属シールの余白を切って貼りました。マジカルガールのときもそうすりゃよかった。 今回の塗装済みパーツはチョーカーの付いた首パーツのみ。 ハンドパーツはマジカルガール同じく、間接と一体化したものも付属します。 髪形は、マジカルガールは茶髪ツインテで活発なイメージでしたが、こちらは黒髪(紺)ショートの大人し系です。 2番目の表情をするやつはこんな風に泣かないだろ、みたいな。 あと、こちらの髪色の場合はそうも思いませんが、武装モードの水色の髪だと、某チルドレンに見えてしかたない……
武装モード スカートはマジカルガールよりシンプルなデザインになっていますが、複数のハードポイントを備えたマルチプラットホームとしての機能は維持されています。 また、帽子を被った状態の髪パーツは頭の上半分がない専用パーツになっていますが、マジカルガール同様、髪パーツは同じランナーが二色分入っているので、髪色は紺と水色、それぞれに帽子のあるなし、計4パターンが選択可能です。 武装組み替えあれこれ 今回のウイッチもマジカルガール同様、付属品を使って様々な組み替え遊びが可能です。 マジカルガールが鈍器……もとい、近接武器メインの組み替えだったのに対し、ウイッチは銃器メインの組み替えが豊富になっています。 ただ、一部パーツは共通なので、釘バットはウイッチでも再現可能。 またエフェクトパーツも共通なんですが、マズルフラッシュなんかは銃メインのウイッチにこそぴったりなパーツです。 以下、イメージカット 魔女なのに武器が銃という、まぁ今となってはそれほど珍しい組み合わせでもないんですが、マジカルガールがデザイン的にはけっこう王道な魔法少女だっただけに、今回のウイッチははいいバランスだと思います。 ケープ状の肩アーマーは肩と上腕の接続部のリングパーツを外して装着。接続部でロール可動、アーマー自体も可動式のジョイントで位置を変えられますが、やはりどうしても肩周りが少し窮屈になってしまうのは仕方のないところ。 太股のリングパーツはマジカルガールと共通で、3㎜穴の空いたものもあり。上腕用リングも同様に付属します。 ライフル内蔵型のホウキでひとっ飛び。 もう少し後ろに跨がれるようにしたほうがよかったかな。 マジカルガールよりもメカっぽさ強めなので、M.S.G.シリーズと組み合わせてもあまり違和感はないように思います。 一方、クリアパーツの制度は安定したものの、今度は普通のプラ同士のはめ込みが緩めな部分が多かったように思います。とくにライフル後端の穴は緩めで、画像ではエフェクトを取り付けた扇状のパーツがしょっちゅう外れて難儀しました。 先輩魔女ッ娘との特訓を経て成長していく魔法少女の図。 以上、“メガミデバイス Chaos & Pretty ウイッチ” でした。 月刊メガミデバイス7月号は、先月に引き続き魔法をテーマにしたメガミの第2段となりました。 メカ要素は抑え気味に、ファンタジー色を濃くしたことで、これまでのメガミとは明らかに一線を画したものになった “Chaos & Pretty” ですが、先にも言ったようにけっこうな値引きが行われるなど、まるでユーザーの戸惑いがそのまま数字に反映されたような格好になってしまいました。 まぁ、ある程度はメーカーも覚悟していたとは思うんですが、さすがにマジカルガールのあの暴落までは予想できなかったんじゃないかなぁ。 僕自身、予約購入した身ですが、自分が出した金額よりもはるかに安い価格で出回っている状況を見ると、なんともいえない気分になります。 べつに買ったことは後悔していません。デザイン的には確かにちょっとアレですが、素体であるマシニーカも細かくブラッシュアップされていますし、2種類のエフェクトパーツも含め、豊富な武装パーツの組み替えの楽しさはシリーズ随一だと思います。 品質に若干のバラつきがあるようですが、総合的なクオリティは保障済み。 見た目で倦厭している人もいるでしょうが、騙されたと思って一度触ってみてください。 今ならまだお求めになりやすいお値段ですし。 マジカルガールのほうは無理でも、ウイッチならまだ大人しめですから。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。 アニメでは主人公・アラシの父親、イカヅチの相棒として、村を襲った巨大隕石を破壊した大型ゾイド。現在はイカヅチともども行方知れずのようですが、シュプリーム団のメンバーである仮面の男・クロアメが同じグラキオザウルスを相棒としており、ひょっとしたらなに関係があるようなないような…… まぁ、なんの捻りもないオチの可能性大ですが。 ともあれ、アニメではワイルドライガー、ギルラプターに続いて3番目にワイルドブラストを披露したゾイドとなりました(ギルラプターは強制的に本能解放させるデスブラストなので、本当の意味でのワイルドブラスト状態ということでは2番目)。 キットのほうは、現在発表されているなかでも最大のXL型ということで、サイズはもちろん、ギミックにもしっかりシリーズコンセプトが反映された納得の出来で、旧シリーズのウルトラザウルス同様、シリーズの一種の象徴的なアイテムになっていると思います。 では、レビューしていきたいと思います。 動力ユニット 今回、通常歩行のほかにもワイルドブラスト再現用のギミックも盛り込まれているため、動力ユニットも特殊なかたちになっています。 下半分の長方形の部分が電離ボックスと歩行用のユニット。上半分がワイルドブラストの肝となるユニットです。 ただ、脚部用の可動軸は前脚のほうにしかなく、あれだけの巨体をわずか2本の軸だけで歩かせるのかと思うとちょっと不安になる部分もあります。 実際、旧シリーズのように各間接部が連動して歩行するような構造だと難しかったように思います。 でも、今回のシリーズは基本関節は固定なので、歩行アクションにはそれほどの馬力は要らないのかも。 そう、まさかとは思いましたが、XLサイズのこのグラキオサウルスすら、4本の脚が足首まで1パーツ成型なんです…… ボーン復元 後面 各部ディティール 口は手動で開閉します。下顎は固定なので、上顎を持ち上げる感じですね。最大まで解口した様子はなかなかに凶悪です。 背中にはライダーの搭乗席があり、ガノンタス同様、ボーン形態のままでもライダーを乗せることが可能です。画像では乗せてませんが…… 今回のシリースは、本当に組み立てが簡単です。サイズの大小はほぼパーツの大小でしかなく、どのキットでも慣れれば30分もあれば完成してしまいます。パーツが小さいぶん、むしろこのグラキオサウルスよりもスコーピアを組み立てたときのほうが時間かかったかも。 復元完了 後面 各部ディティール アイパーツはイエローのメッキ調。 ハンマーボーンは、内側にディティールこそあるものの所詮はパーツの裏側なので、正直見栄えはあまりよくありません。せめてハンマー部分の接続部くらいには、カバーなり裏打ちパーツなり付けほしかったところです。 脚部外装には必殺技使用時に機体を固定するアウトリガーが装備されていますが、一体成型の単なる飾りになってしまっています。ここは別パーツにして、手動でいいので動かせるようにしてほしかった。 ライダーフィギュアは今のところ専用造型で、少し深めの着席姿勢になります。旧シリーズのパイトッとフィギュアに近い感じですね。これまで競馬のジョッキーのような前傾姿勢ばかりだったので、ちょっと新鮮。 比較画像
電動アクション
その状態でゆっくりと首を持ち上げ、勢いよく振り下ろす必殺技、その名も “グランドハンマー” を繰り出すこと2回。自動的にハンマーボーンが後ろにたたまれて通常形態に戻ると、再び歩行再開。そしてまた数歩歩いた後ワイルドブラスト! グランドハンマー! 通常形態へ。あとはその繰り返しです。 これまでに発売された同シリーズのキットでは、ワイルドブラストへの移行は主に手動によるものでした。 フラッグシップキットでもあるワイルドライガーだけは、電動歩行から自動でワイルドブラストへ以降しましたが、その後はワイルドブラスト状態のまま、必殺字を繰り出しながら歩き続けるだけで、通常形態へは手動で戻すしかありませんでした。 しかし、このグラキオサウルスは通常歩行からワイルドブラスト形態への変形、そして必殺技、さらに通常形態へ戻るまでが全自動! さすがXL型。迂闊にもちょっと感動しました。 必殺技を繰り出すときにしっかり立ち止まるのも、設定を反映していて見事です。若干勢いがよ過ぎるので、首の基部とかの破損が心配ですが…… あとは、通常形態でただ歩き続けるモードと切り替え可能なシステムにはできなかったのかな? とかは思いましたかね。 以下、イメージカット 手動で動かせるのは口だけなので、およそアクションポーズなんてとれないのは本家ゾイドの宿命。 とりあえずクワーガにでも噛みつかせとこう 電動アクションを途中で止めて、必殺技 “グランドハンマー” の瞬間を激写。 ハンマー部分からけっこう頭が飛び出しちゃってるのは、これ大丈夫なんですかね? アニメでは自分の足下への一撃で、谷を挟んだ向かい側にいた的ゾイドの足下を崩壊させてましたが、そういう指向性のある衝撃波を放つ機構も備わっているのかも……いや、あれはアニメ上の演出です(笑)。 以上、“ZW グラキオサウルス” でした。
今回のゾイドワイルドの大幅な組み立ての簡略化は、小学生低学年を中心に、プラモ離れしている子供たちを取り込むための戦略で、実際のシリーズのヒットを見ればそれは成功したのだと思います。 ただ、僕のような古参のゾイドファンにとっては、はっきり言ってもの足りない部分はあります。 S型キットならまだしも、M型、さらにXL型までもが各部の間接可動なしで、単純に4本の脚を前後に振るだけの歩行アクション……これのどこが “リアルムービングキット” なんだ、と。 まぁ、僕はもうそのへんは割り切っていて、今回のシリーズに旧シリーズにあったようなゾイド自体の躍動感は求めていません。 ゾイドワイルドは、同じゾイドでもこれまでのゾイドとは方向性がまったく違うものだと思ってしまえば、けっこう楽しめるもんです。もちろん不満点はいっぱいありますけどね。 そんななかで、このグラキオサウルスはさすがXL型というか、シリーズコンセプトを見事に消化しているキットだと思いました。 最初にワイルドブラストへの変形を見たときは、途中でも言いましたが、ちょっと感動した。しかもちゃんと元の様態に戻るなんて……ワイルドライガーで不満だった点を、しっかりクリアしてきている。 まぁ、開発は同時だった思いますが。 さて、これでシリーズ発表と同時に公開された8アイテムはすべて発売されたわけですが、その後全然後続のアナウンスがないなぁ……と思っていたところ、つい先日9月発売アイテム3点が発表されました。 一つめは、すでにアニメにてやられメカとして認知されているS型のラプトール。 二つめのM型・ナックルコングと三つめのL型・トリケラゴドスはまだアニメ未登場ですが、すでに公式サイトでネタバレしています。 一ヶ月のインターバルは残念ですが、どのキットもなかなかに特徴的なギミックが盛り込まれているようで楽しみです。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。 ガンダムピクシーか、ただのピクシーか……ゲームないでは単にピクシーと呼ばれているようなので、今回はそれに倣うことにします。 というか、件のゲームはオリジナル版もリメイク版もやってないので、この機体の出自もよく知らないんですよね。 おおまかには、ゲームオリジナルのMSということ、そのゲームの舞台が一年戦争で、地上戦がメインだということなど、昨今の流れでは珍しく系列機全機(それもリメイクキット)が一般販売されたブルディスティニー(BD)シリーズと共通点の多い機体……くらいの印象ですかね。 一般的にも、どちらかといえばBDシリーズのほうがメジャーだとは思いますが、ピクシーの初出となる “CROSS DIMENSION 0079” は95年発売のスーパーファミコン作品。BDシリーズの初出が96年発売のセガサターンソフト、“機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY” なので、ピクシーのほうが先輩ですね。 てっきり陸戦型ガンダムの派生機だと思ってたんですが、型式を見る限りノーマルガンダムの関連機のようです。キットは間接フレームが陸戦型やBDと共通なんですが。 キット化は今回が初になります。 一方のイフリートも、初出はピクシーと同じ作品。 こちらもやはり改修機のイフリー改のほうが有名だと思います。 これまでにHGUCでは系列機のイフリート・シュナイドが一般販売。イフリート改とイフリート・ナハトがプレバンで発売されています。 原型機の発売が一番最後になるなんて……まぁ、ごく最近同じようなことがあったばかりですが、あっちは一般販売だったしなぁ…… こちらも今回が初のキット化。 今回は、そんな二つのキットを一緒レビューしていきます。 キットはともに素組みに最低限の墨入れ、付属シールと一部塗装による仕上げです。 ガンダムピクシー ほかにも肘や膝の三角マークなどにシールを使用。そこは貼りました。 ガンダム的要素はちゃんと押さえつつも、どこかパチもん臭い、独特のデザインは現代風の小顔足長スタイルにアレンジされていますが、それでも絶妙にダサいな…… 顔小さくし過ぎじゃない? なお、BD-3が定価1600円で、陸戦型が1700円。それでピクシーが2000円ていうのは、さすがに割高ですなぁ…… 付属武装 90㎜サブマシンガン なんでこんな仕様にしたのかというと、グリップ下のパーツの交換のためのようです。 通常はマガジンを装着しますが、後述のビームダガーを装着することも可能。 でも、マガジンを外した状態のマシンガンなんかすぐに弾切れになるだろうし、ダガーも普通に持ったほうが扱いやすいと思うけどね。これが格好いいと思ったのかな? もちろん単体のグリップも付属するので、それに差し替えて、他キットから銃持ち手を拝借すれば普通に保持することもできます。 非使用時には、2丁揃えてそのままリアアーマーにマウント可能。 ビームダガー クリアパーツ製の刀身パーツは普通の直刀タイプのほか、エフェクト付きのものが付属。 なんでまた急にこんな派手なエフェクトを……正直違和感がすごいです。 イフリート 今回はできるだけ塗装で再現しましたが、動力パイプ根元の水色やスラスター内部にはシールを使ました。 プロポーションの良さは過去の系列機で実証済み。本体はほぼ改と一緒ですが、肩や前腕の装甲はガン景気らしいシンプルなデザイン。脚部にも一切オプションはありません。 ちなみに、イフリート改は定価1800円、ナハトは2400円。 外装がほぼ新規でボリュームも増しているナハトがその価格なのは仕方ないとして、やっぱりイフリートの2000円は割高に感じるなぁ… 付属武装 ショットガン グリップおよびストックは2種類から選択式。 持ち手は右手のみですが、代わりに左平手が付くので両手持ちの射撃ポーズが決まります。 非使用時には専用のパーツを使ってリアアーマーにマウント可能。 ヒートサーベル ただ、グリップで挟み込む構造なので、そのままだと付け替えが面倒。ピンを削ったり、一部パーツを加工してやるのがいいかと。 通常はサイドアーマーにマウント可能。改のようにバックパックへのマウントはできません。 以下、イメージカット 可動性能は共通フレームの陸戦型ガンダムなどに準じます。 肩は引き出し式前方に大きく動かせますが、ポリキャップが剥き出しなので、見栄えはあまりよくありません。 腹部の可動もほどほど。 脚部は余計な装飾がないぶんよく動き、接地性も良好です。 こちらも肩間接は引き出し式ですが、しっかり間接ブロックを組む構造なので、安っぽさはなし。ただ、間接ブロック自体は剥き出しなので、そこは少し違和感。 なお、腰からバックパックに繋がる動力パイプのせいで腹部の可動はほぼ死んたり、接地性もイマイチだったりと、当たり前ですがこれまでの系列機と同様の欠点は抱えたまま。 対決シーンで2枚。 ピクシーのコンセプトは忍者で、イフリートのコンセプトは侍だそうです。 手数で攻めるピクシーに、一刀にすべてを懸けるイフリート、みたいな感じかな。 以上、“HGUC ガンダムピクシー” & “HGUC イフリート” でした。 もうほぼ同じ構造のキットをいくつも作った後なので正直新鮮みはありませんでしたが、ピクシーのほうは外装の完全新規に加え、珍しくエフェクトパーツが付いていたりと、なかなか面白いアプローチだったと思います。 イフリートも、ヒートソードに非使用時の刀身パーツが追加されていたり、足の色分けのためにパーツを新造するなど、わりと細かいところまで気を遣ったキットになっていました。 両機ともコアな人気がある機体ですが、正直一般受けするとは思えないので、この販売形態は妥当だったのかな。 まぁ、イフリート系の3連チャンはやり過ぎの感はありますけどね。イフリート改は一般で出してもよかったと思う。 ただ、イフリートにはダグ・シュナイド機がありますし、ピクシーのランナーにも意味深なスイッチがあったので色違いを出してくる可能性はありますし、まだ油断はできません。 なんかもう、最近ガンプラは一般販売品よりプレバン商品のほうが買う数が多くなってますね。 実際、今月一般販売の購入数はゼロ。一方で届くプレバン商品は6個…… さすがに買い過ぎた気はします。ジェガンのバリエ二つはやめときゃよかったな…… そんな感じで、今回は終了。 またのご訪問を。 長年ファンが待ち望んでいたジェガンが、この夏遂にMGで発売。 僕自身、とくにジェガンに対して思い入れはないんですが、確かに長かったな、という気はします。 シリーズのけっこう初期にサザビー、υガンダム、リ・ガズイと、逆シャア関連機がわりと短いスパンで発売されましたが、その後長らく音沙汰なく、2012年にυガンダムがVer.Kaとして再リリース、翌年7月にギラ・ドーガが、同年12月にサザビーがVer.Kaで発売されるとまた休眠期に。 ギラ・ドーガが出たときには、近いうちにジェガンも来ると思ったんですけどね、まさか五年も待たされるとは。 正直ここまで遅れた理由がわかりません。タイミングはいくらでもあったと思うんですけどね。そもそもMGの発売時期に必然性があるほうが稀ですが。 技術的な問題があった主考えにくいですし、これはもう、単に焦らしてただけなのかな。 あるいは、HGUCのほうでバリエキットをバンバン出して、MGでの展開をシミュレーションしてたのかも。 これは出す、これは出さない、みたいな。 少なくとも、あらゆるバリエーションに対応可能なよう、ランナー配置は考え抜かれているようです。 果たしてどこまで出してくるのか? というか、どれだけプレバンに回してくるのか、今後が楽しみでもあり、不安でもあります。 まぁ、僕は端からこのノーマルジェガン以外、MG版は買うつもりはないですが。 では、レビューに移ります。 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属マーキングシールでの仕上げです。 フレーム状態 バンダイ……いや、あらゆるロボットプラモのなかでも、現状で最高峰の可動素体といっても過言ではないと思います。 付属武装等 ビームライフル ビームサーベル シールド ハンドグレネード 頭部ディティール & バルカンポッド 以下、イメージカット フレーム状態でのあの可動域が、外装をすべて着けた状態でどこまで確保できるのか? というのが、ある意味このキットの最大のポイントだと勝手に思っていたわけですが、結果はまぁほぼ予想通り、かなーり制限されてしまいました。 先ずは首の可動から、せっかくの二重関節でわりと綺麗に上を向くことができたのに、バックパックが干渉して二重であることをほぼ活かせず。 肩や腕周りの可動にはあまり変化はありません。さすがに肩アーマーの厚みがあるので真っ直ぐ上に手を挙げることはできませんが、ここはまぁ十分でしょう。 腹部の可動は、やはり大幅に狭くなりました。フレーム状態ではほぼ90度曲げることができたんですけどね。 さて、脚部です。フロントアーマーのないデザインは、一見よく動きそうに見えますが、ジェガンの場合、太股から付け根までが一つの装甲で覆われているというデザインのせいで台なしになっています。 つまり、付け根のロール可動がほぼ死んでしまうわけです。それに付け根部分にまで装甲が被っているわけですから、その厚みのぶん上方向への可動も妨げられます。 足首も、外装の裾が干渉するため、フレーム状態のような柔軟な可動は望めません。 以上、“MG ジェガン” でした。 7月にMG ジェガン、8月にRG サザビー、そして9月にはRE ヤクト・ドーガと、にわかに逆シャア関連が盛り上がった夏になりました。 みんなが待ち望んだMG ジェガンの出来はいかがだったでしょうか? プロポーションには人それぞれ好みがあるでしょうが、僕はHGUCよりはこっちのMGのアレンジのほうが好みです。 構造的な部分では途中厳しいことも言いましたが、それでもこのジェガンは、MGの一つの到達点なんだろうと思いました。 特殊な構造を持たない汎用量産機の立体化ですから、新しい技術は必要ありません。これまでに蓄積してきたものを昇華させるには良い素材だったと思います。 つまりはパーツでの色分け、そして可動。基本的な仕様のみにこだわって造られたのが、このMG ジェガンだと、勝手に思い込んでいるわけですが。 実際その二点においては、MG ジェガンはガンプラでは最高峰でしょう。 逆に、MSの可動性能というのは、デザインやプロポーションとの折り合いを考えれば、このあたりが限界なのかもしれません。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。 G1系キャラのリメイクを中心にした一連のシリーズ……いわゆるジェネレーションラインの日本国内における販売形態は、“変形! ヘンケイ! トランスフォーマー” や “トランスフォーマーユナイテッド” など、日本独自のシリーズ名を冠し、内容についても重塗装やメッキ加工などの仕様変更を伴うものも多く、その流れは “トランスフォーマー レジェンズ”、“ユナイトウォリアーズ” でさらに加速、一部パーツの変更や完全新規型のアイテムも登場するなど、相当な盛り上がりを見せるまでになりました。 そんななかでの、パワーオブザプライムの全世界同時展開の発表、レジェンズ、ユナイトウォリアーズの事実上の休止には大いに落胆したものです。 キャラクターの名前が海外基準になるのは、まぁいいです。なんて呼ぶかなんて個人の自由ですし。 なにが嫌って、塗装が減ってそのぶんシールになるってとこですよ。 とはいえ、実際に手許に届いたものは、思っていたほど 酷くはありませんでした。 そもそもシールが使われているのはボイジャークラス以上のアイテムだけで、デラックスクラス以下のアイテムはしっかり塗装でカラー再現されていましたし、ボイジャークラス、リーダークラスのアイテムにしても、確かにシールの貼り方は雑な場合が多いし、貼り込む位置の形やモールドを無視して無理矢理貼られている箇所もあったりと、お世辞にも仕上がりは綺麗とはいえませんが、まぁ許容範囲かな、と思っていました。 思っていたんですが……このスタースクリームはダメです。ちょっと許せるレベルじゃありません。 シールだけの話じゃないんですよね。もちろん、シール関連が1番目につくわけですが、ほかにも問題はいくつか。 いやマジで、なんでこんなことに……? ロボットモード メイン武器のナルビームは上腕側面に取り付けるんですが、ごつい前腕が干渉するためにごく浅くしか差し込めませんし、可動もかなり制限されます。 胸のキャノピーは完全にダミーで、ビークルモードの機首はそのまま背中に折りたたまれるだけというのも寂しい。 そして、問題のシール…… ロボットモードでは、まだそれほど目立ちませんが、それでも肩や爪先などは下地のモールドを無視して貼り込まれていますし、お腹のディセプティコンマークなんかは開封直後からもう端からめくれてきています。 ビークルモード オリジナルではF-15 イーグルにトランスフォームしますが、今回はそれっぽい要素は盛り込みながらも全体的に丸く、ずんぐりしちゃいましたね。 変形は脚部を縮め、、機首やウイングが接続されたパーツを180度回転させる程度で、かなり単純。 ただ、各部の合わせは非常に悪く、とくに脚部の変形はけっこうな力業。個体差なのかもしれませんが、脛内側のパネル状のパーツはこれ必要なのか? あちこちに負荷がかかってる気がして、この状態での長時間の放置は破損が心配です。 ナルビームの取り付け位置はロボットモード時から変わらないので、抱えた問題もそのまま。 そして、シールですよ。 機首先端に始まり、エアインテーク部、ウイングに至ってはほぼ全面がシールです。 位置が微妙にずれてるのは当たり前。ウイングのシールは面先が広いぶん、箔の剥がれが目立って仕方ない。 なんでこんな大判のシール貼ったんだ? ディセプティコンマークと縁の赤いラインだけで十分だよ。細かいコーションマークなんか求めてないし。 比較画像 コンバイナー仕様では、すでにUW グランドガルバトロンのメンバー、ゴーストスタースクリームとして発売されているスタースクリーム。 その名の通り劇中で霊体となったときの姿を再現したゴースト~。とはいえ、所詮はエアーボット・スカイダイブの頭部変更リカラーなので、結果スタースクリームっぽいヒトでしかないんですが。 ナルビームが付いてるのとウイングの向きが合ってるぶん、ロボットモードではまだ今回のPP版のほうがオリジナルの印象に近いかな。 逆にビークルモードではゴースト~のほうが雰囲気は近い気がします。 ついでに、グランドガルバトロンの胴体部(コア)を担当するUW版サイクロナスとも。 新旧ナンバー2が同じコンバイナー仕様で並ぶとは…… どちらもオリジナルのイメージに近いとは言いがたいんですが、こうして並べてみると、こういうアレンジなんだと割り切れる自分がいる。 合体モード お待ちかねの合体モード。 この形態での名前というのは、とくにないようです。 あらためて断ることでもないですが、スタースクリームは胴体部(コア)を担当。 ロボットモードから上下(前後も)が逆さまになっており、ロボットモードでの腕部、脚部が、合体モードではそれぞれ脚部と肩部になります。背面からの画像だとわかりやすいですね。 なお、ナルビームは基本、銃口を斜め下に向けて背中に配置。 頭部はアニメ第1作30話の王冠を被った姿がモチーフらしく、さらに実写版スタースクリーフを彷彿とさせるボディのパーツ配置も面白いです。 ボディの上下反転や、合体モード用頭部の展開方法など、変形パターンにはシルバーボルトなどとの共通点が多め。 そのおかげもあるのか、各部がかっちりまとまっていて安定感があります。ちょっと触っただけであちこち外れるグリムロックとは雲泥の差。 脚部の(ロボットモードの肩間接)クリックが全体の重さに負けるのは、これはもうある意味宿命なので、大目に見ることにします。 合体メンバーは同じジェット機仲間で揃えたかったので、左右の腕に同じPPからブラックウイングとドレッドウインド、脚にはUW グランドガルバトロンから左にアルマダカーススラスト、右に先にも登場したゴーストスタースクリームというチョイス。 図らずも腕脚組4体が全員パーシャル関係となってしまいました。 なお、ブラックウイングのれびゅーのとき、ドレッドウイング合体用のジョイントが干渉して、そのままだと腕が横に上げられない……と言いましたが、件のジョイントをあらかじめ下げておけば問題ないことに気付きました。 お詫びのうえ訂正しておきます。 シーカーエニグマ
以下、イメージカット 単体での可動は平凡。腰は回りませんし、足首も固定なので接地性もあまりよくありません。 一方で背面のウイングは後ろにたたむこともできるので、腕の後方への可動域は確保できます。 ただ、やはりでか過ぎる前腕が邪魔で、どうもナルビームを撃つポーズが格好良く決まりません。 これ、上腕じゃなくて前腕のカバーパーツに取り付けられればだいぶ違ったのになぁ。 また、ナルビームは付属のプライムアーマーとの連結も可能。取って付けた感はあるものの、その状態で腕に装備した姿はなかなかハッタリが利いています。ただし、当然取り回しは一層悪くなりますが。 スタンド用の3㎜穴は股下にありますが、ボイジャークラスのためそこそこ重さがあるので、ディスプレイの際は慎重に。 以上、“PP スタースクリーム” でした。
ボイジャークラスでリメイクされたG1デザインのスタースクリームって、実はこれが初めてなんじゃないですか? ヘケヘケとかジェネレーションズとか、リメイク自体は何度かされてるけど、どれもデラックスクラスだったし。 コンバイナー仕様でのリメイクには賛否あるでしょうが、アニメのエピソードや実写版のデザインを取り入れた合体モードに関しては、面白い試みだったと思います。 単体のロボットモードでのプロポーションについても、ある程度は仕方なかったかとは思います。でも、それならそれでナルビームなどのオプションの扱いには、もう少し気を遣えたんじゃないでしょうか? ビークルモードでの各部の合わせの悪さにしても、もっとちゃんと調整できたと思う。 このへんは品質管理以前の、構造上の問題だと思います。 そして、多用されているシールに関しては……正直擁護できません。 なんでこんなにベタベタに貼りまくってしまったのか…… もうシールをすべてやめろとは言いませんから、せめてタイタンクラスみたいにシートで封入というかたちにして、あとはこっちの自由にさせてくれませんかね。 同じシールでも、自分で貼るならまだ諦めもつくから。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。 HGUC バイアラン・カスタムの発売からおよそ6年。ようやくオリジナルのバイアランがHGUCで発売されました。 バイアラン・カスタムの時点でランナーには多数のスイッチが入っていたので、これは早々にオリジナルも来るな、と思っていたら、まさかこんなに待たされるとは…… イゾルデなるポッと出に先を越されたりもしましたが、ともかくも無事発売されてよかった。しかも一般販売で。 これがZじゃなく、ZZ出身の機体だったら、間違いなくプレバンに回されてたんだろうな…… さてバイアランといえば、負ける度にMSを乗り換える男でお馴染み(?)のジェリド・メサが6番目に乗った機体です。 ちなみに、彼の乗機は搭乗順にガンダムMK-Ⅱ、ハイザック、ガルバルディβ、マラサイ、ガブスレイ、バイアラン、バウンド・ドックとなります(劇場版ではガルバルディに乗るシーンはカット)。 今回紹介するバイアランは、初出撃でフォウのサイコガンダムを(カミーユのガンダムMK-Ⅱを庇って現れたところを誤って)撃破、宇宙に上がってかからもアポリーのリック・ディアスを落とすなど、実はジェリドの搭乗機ではある意味1番活躍してるんですよね。 その後撃墜された描写もないのに、なぜか最終決戦でジェリドは本来強化人間用の機体であるバウンド・ドックに乗って現れ、大した活躍もないままラーディッシュの爆発に巻き込まれて戦死…… 変な欲を掻かずにバイアランに乗り続けてれば、また違った結果になっていたかも。 それでは、レビューに移ります。 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと一部塗装による仕上げです。 発展機から少しずつパーツを作り足してオリジナルに先祖返りするというのも、なんとも妙な話ですが、 ちなみに腕や足、お尻のスラスターなどがイゾルデからの流用パーツ。 なので正直、腕の形には違和感かがあります。上腕はボリュームがあり過ぎるし、前腕は角張り過ぎ。ビームサーベルの収納方法も設定とは違い、解釈の違いとするには無理があるように思います。 カスタムからの流用ランナーのスイッチの位置を見るに、少なくともカスタムを開発した段階では、オリジナルの肘関節(動力パイプ含む)には新規パーツを、と考えられていたようです。同様にメインスラスターの2連バーニアも、本来カットされていたであろうランナーに含まれており、当初はパーツでの色分けが考えられていた(今回はカスタムのパーツがそのまま流用されているので、設定通り赤で塗装してあります)のだと思います。 そういった当初の構想が、Twilight AXIS という謎の企画の横槍で、まぁこんなもんでいいか、という妥協によって壊された感があります。 イゾルデなんてものが現れなければ、バイアランはより設定に忠実な造形で発売されていた可能性が高いです。 いや、イゾルデがなければそもそも発売すらされなかったよ、という意見もあるかもしれませんが…… モヤモヤはなんともできませんが、とりあえず今回新規で造形された部分をクローズアップ。 ざっと、以下の五箇所です。 頭部 肩部ジェットエンジン 脇部スラスターフィン 背部サブスラスター 脛 武装 メガ粒子砲 & ビームサーベル 比較画像 まずはバイアラン・カスタムと。 格闘戦能力アップのために追加された腕部クローアームと、更なる機動性を求めて大型化された肩のロケットエンジンや新たに装備された背中のロケットブースターのおかげで、目に見えて原型機よりボリュームアップしているバイアラン・カスタム。 非常に解り易い、純粋な発展の系譜だと思います。 続いてバイアラン・イゾルデと。 イゾルデの開発経緯についてはよくわかりませんが、見た目はオリジナルとカスタムのほぼ中間といったところ。頭部がどうしてこうなったのかは謎ですが。 いったい、Twilight AXIS とはなんだったのか……? あの企画のおかげでこの度、バイアランの一般販売が成ったというのなら感謝もしますが、そのせいで中途半端なキット化になってしまったというのもまた事実。 あと、なんであの流れでRジャジャだけスルーされたのか……(しつこい?) 以下、イメージカット ハンドパーツは、もっと大きく開いたかたちのものが追加で欲しかったですね。 腕全部を新規で作るのが無理なら、せめてそれくらいはやってほしかった。もちろん、メガ粒子砲の砲口もちゃんとモールドしてね。 以上、“HGUC バイアラン” でした。
長かったですが、とりあえずは発売してくれたことに感謝。 不満点はありますが、それも実際に手にできればこそ。モノがなければ文句も言えませんからね(ない! と言う文句は言えますが)。 実際のところ、腕のことを除けば、造形的には非常に格好いいバイアランです。 やはり、こういったインパクトのある大型機が立体になると迫力があります。 さて、前月にはガルバルディβ。そしてこのバイアランと、ジェリドの搭乗機が続けざまにキット化されるといういい流れが来ていますが、これは近いうちにバウンド・ドックの発売も期待していいんですか? いや、まぁないだろうけど…… とはいえ、ここへきてZ登場MSのコンプリートがわりと現実的になってきたんじゃないですか? あと残ってるのは……先に言ったバウンド・ドックにディジェとハイザック・カスタム、ボリノーク・サマーン、サイコガンダムMK-Ⅱの5体かな(MSV関連は除く)。 う~ん……どれも難物だ。 このなかで1番出しやすいのは、REがあるけど、やっぱりディジェかなぁ。 ハイザック・カスタムは元キットが古過ぎるし、不意にプレバンで出しそうなきはするけど。 ボリノーク・サマーンは今のところ完全な一点ものだしね。劇場版でフィーバーしてるときにパラス・アテネと一緒に出しとけば…… バウンド・ドックは、色替えだけで3パターン出せるからある意味1番お得ですが、技術的な問題もありそう。 サイコMK-Ⅱは……今出すならいったいいくらになるんでしょうね。8000円くらい? なんにしてもかなりハードルは高そうだ。 でも、Zのコンプリートが難しいなら、ZZのコンプリートなんて夢のまた夢だなぁ…… といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。 アニメ第一作 “戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー” と2作目の “2010” は海外製アニメの日本版ローカライズですが、続く3作目の “ザ☆ヘッドマスターズ” からは日本製作となり、今回紹介するドレッドウインド、ブラックウイングがバスター、ハイドラーの名で登場する “超神マスターフォース” はシリーズ第4作にして日本製アニメの2作目ということになります。 海外では玩具のみで展開したシリーズとなり、サイバトロン(オートボット)、デストロン(ディセプティコン)の所属は基本同じながら、日本でゴッドマスターと呼ばれていた戦士たちはパワーマスターと呼ばれ、名称のほか一部カラーリングにも違いがあったようです。 一連のプライムウォーズトリロジーでは、第1弾のコンバイナーウォーズ(日本ではユナイトウォリアーズとして発売)でスクランブル合体戦士の、第2弾のタイタンズリターン(日本ではレジェンズシリーズに組み込まれて発売)でヘッドマスターのリメイクが成されました。 となると、第3弾のパワーオブザプライムでは、当然ゴッドマスターのリメイクがされるのかと思いきや、それっぽいギミックは取り入れながら、ゴッドマスター(パワーマスター)については一切言及なし。 まぁ、タイタンズリターンの段階でスーパージンライやオーバーロードがヘッドマスターとしてリメイクされていたので、初めから期待はしてなかったんですが。 プリテンダーのほうが優先されたのが意外。日本ではイマイチ受け容れられなかったアレに、海外では根強い人気があったんだろうか? ちょっと話が逸れました。レビューに移ります。 ドレッドウインド ロボットモード 先にも言ったように、ゴッドオン(パワーオン?)ギミックはオミットされ、その代わりなのかコンバイナーギミックが新たに与えられています。 というか、コンバイナーウォーズで発売されたエアーボットの一員、スカイダイブのパーシャルになります。 半分近くが新造のパーツになり、カラーリングも含めてそれらしく再現してはありますが、それらしいに留まっている感じ。とくに後ろ姿にはまったく面影がありません。 まぁ、顔と肩のジェットエンジンだけでも十分キャラクターの判別できるので、再現度としては及第点はとれていると思います。むしろ、コンバイナー仕様と割り切れば十分かと。 ビークルモード オリジナルではF-16 ファイティングファルコンにトランスフォーム。 今回のPP版では、完全再現とはいかないまでも、少なくともロボットモードよりは近いイメージになっていると思います。 まぁ、形はほぼスカイダイブと変わらないんですが……ウイング下のジェットエンジンがポイントになっています。 合体モード ブラックウイング ロボットモード 彼もまたエアーボットのエアーライダー(海外名エアレイド)のパーシャルになっていますが(というか、スカイダイブとエアーライダーがそもそもパーシャルなんですが)、ドレッドウインドに較べてかなりオリジナルに近い仕上がりになっていると思います。 ただ首の処理が独特で、常に若干浮いた感じになってしまうのが残念。 ビークルモード オリジナルではイギリスの戦闘機、トーネードにトランスフォーム。 こちらもわりと近いイメージにまとまっているように思います。 一見、元型のエアーライダーとほとんど一緒に見えますが、変形のために機首の接続部やウイング基部などはまるっと新造されています。 あと、ドレッドウインドもそう(元型のスカイダイブやエア-ライダーも同様)ですが、垂直尾翼が軟質パーツでできており、僕の手許に届いたものは見事に内側に丸く変形しておりました。しかも余所の塗装も跳ねてるし…… 合体モード ドレッドウイング 後面 合体自体は非常に単純。ブラックウイングガワから展開させた専用の5㎜軸ジョイントを、ドレッドウインド側の穴(機体後端。合体モード時に拳や足パーツをはめる穴)に差し込むだけ。 それ以外に固定装置はなく、はっきり言って不安定です。 しかも、ブラックウイングの説明書にはこのモードへの変形手順がちゃんと書かれているのに、ドレッドウインドのほうにはなにも書かれていません。おかげでドレッドウインドのウイングを後ろにスライドさせなきゃいけないことにしばらく気付かなかった。 比較画像 ドレッドウインド & ブラックウイング まずは兄弟で。 上半身がかなりの部分で違うので、見た目の印象は随分違います。 気になったのはそれぞれの付属武器。 ドレッドウインド付属の銃タイプの武器ですが、形状こそオリジナルによく似ていますが、オリジナルでは2丁付属していたのに、こちらは1丁切り。 ロボットモード時はともかく、ビークルモード時にバランスが悪いのが残念です。 一方のブラックウイングには銃は2丁付属しますが、こっちはこっちでオリジナル付属のものとはまったく似ていない小型の銃で、どうしてまたこうなったのか…… ドレッドウインド & スカイダイブ 元型のスカイダイブと。 先にも言ったように、スカイダイブとエラーライダーがそもそもパーシャル関係にあるのですが、共通パーツの数、そしてビークルモード時の見た目からまずはこの2体で比較。 共通部位は前腕と脚部全体(ドレッドウインドでは外装に一部改修あり)、それと機首、ウイング、細かいところでは肩の可動用のジョイントにも同じパーツが使われています。 半分近く同じパーツを使いながら、取り付け位置の変更などでロボットモードでの印象はかなり違って見えます。一方で、ビークルモードではシルエットにはほぼ変わりがありません。 ただそれよりも、スカイダイブの肩幅…… ブラックウイング & エアーライダー 続いてブラックウイングとエラーライダー。 こちらも前腕と脚部全体で共通パーツが使われていますが、後は細かい部分を除いてブラックウイングではほ新造パーツになっています。 一見同じパーツが使われているように見えるビークルモードの機首やウイングも、地味に新造。 なお、ドレッドウインドとブラックウイング共通で感じたことなんですが、全体的に間接やジョイントが緩めです。個体差なのかもしれませんが、もう数年前にかったエア-ボット立ちのほうが保持力は安定してました。 尾翼の変形の件も含め、相変わらず品質管理には問題ありです。 ドレッドウインド & バスター なぜかバスターだけオリジナルをずっと持っている(ハイドラーはそもそも買わなかった)ので、せっかくなのでドレッドウインドと。 バスターでは赤い色のパーツが、オリジナルのドレッドウインドでは今回のPP版と同様のライトグリーンになっているようです。 こうして並べると、両者が似て非なるモノだということがよくわかると思います。 まぁ、コンバイナー仕様であることを鑑みれば、これくらいでも十分でしょう。 以下、イメージカット 可動性は元型のエアーボットに準拠。 ドレッドウインドの場合は、ウイングが脚部に移動しているため、腕部の後方への干渉がなくなり、より派手なアクションが可能になりました。 肩のジェットエンジンの径は5㎜なので、プライムアーマーや付属の武器を取り付けることもできます。 ブラックウイングも、下半身の可動はドレッドウインドと変わらず。 こちらは元型と同じく背面にウイングがあるので、腕の後ろへの可動は制限されますが、その代わり肩が上向きに動くので、画像のような肩の入ったポーズをとらせることができます。 二人揃って。 一応、腰裏にスタンド用の3㎜穴があるんですが、これがほとんど使い物にならないくらいユルユルです。 もしやと思ってスカイダイブやエアーライダーについても確認しましたが、なんと彼らの時点でユルユル…… 辛うじてブラックウイングのほうがなんとかバランスをとれましたが、ドレッドウインドのほうはどうにもならなかったので、背中の5㎜穴で代用。5㎜仕様のスタンドがあってよかった。 以上、“PP ドレッドウインド” & “ブラックウイング” でした。 正直なところ、手許にある素材を使って、まぁまぁ上手いことそれらしいものを作ったな、という印象です。 そもそも合体戦士でないキャラたちをコンバイナー仕様でリメイクすることに多少の無理がありますし、しかもパーシャルが前提なわけですから、その点に関してはこちらもある程度は妥協しています。 構造的な部分で若干荒いところはありましたが、許容範囲だった思います。 ただ、ドレッドウイングへの合体ギミックは、もう少しなんとかできなかったのかなぁ? せっかくコンバイナージョイントがあるんだから、それを活かすかたちにできなかったんでしょうか。 というか、当然そうなるものだと思ってたんですが、まさか5㎜軸1本での接続とは…… まぁ、サイバトロン(オートボット)側のゴッドマスター(パワーマスター)たちが、ジンライ以外まったく忘れ去られている状況を思えば、こういったかたちでも今の世に復活させてくれたことはありがたいとは思います。 でも、PPのラインナップの中で、この二人だけが出自的にも明らかに浮いてるんですよねぇ。 それならもう、旧ジェットロンをコンバイナー仕様で出してたほうが…… といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。 |
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