コトブキヤのフレームアームズ・ガール(以下、FAG)やメガミデバイスのヒットを受けて、大手メーカー含めて各社から類似商品がリリースされるなか、主にスケールモデルで知られるアオシマ(青島文化教材社)までもがその激戦区に参入してきました。 それがマクロスとコラボしたV.F.G.(ヴァリアブルファイターガールズ)。 最新作 “マクロスΔ(デルタ)” のメイン機体、VF-31J ジークフリードをモチーフに、同シリーズの総監督である河森正治氏の意向も汲んだ、他社のシリーズとはまた違ったコンセプトのキットとなっています。 マクロスのプラモデルといえばハセガワが有名ですし、F(フロンティア)以降はバンダイからも各種VFのキットが発売されています。 僕もF放送時にバンダイ製のキットを一つくらい買ってみようかなぁ……と思ったことはあったのですが、どうもデカール地獄らしいという話にビビって結局手を出しませんでした。 今回、バンダイでもハセガワでもなく、アオシマからこういったキットが発売されたのにはちょっと意表を突かれましたね。 個人的に、アオシマといえば戦闘機や戦艦の模型を作ってるメーカーという印象だったので。意外と色々なキャラクターキットも出してるんですね。 でも、マクロス関連は今回が初めてみたいなんですが、そのへんの版権とかはどうなってるんですかね? さてさて肝心のキットですが、メーカーが変わってもマクロスはマクロスというか、やはり色分けにはかなり難があります。 もちろんそこは想定内で、当然デカール地獄もある程度は覚悟していた……というか、場合によっては貼らずに済ませようと思ってたんですが、キットに付属していたのは水転写式のデカールではなく、薄いビニール製のシールでした。 当初は目立つ部分のみ塗装も考えていたんですが、そのシールによって色分けはほぼ完全に再現されるようでしたので、まずは一旦貼ってみることにしました……が、案の定複雑な曲面や折り込み部分では粘着力が足りず、しっかり密着させたつもりでも時間が経てば浮きまくりのめくれまくり。 とりあえず今回はその状態で画像撮影まで持っていきましたが、いくつかのカットでシールが浮いたりめくれたりしてしまっているのでご了承ください。 そのうち全部剥がして塗装するかも…… というわけで、レビューに移りたいと思います。 キットは素組みに最低限の墨入れ、先に言ったように付属シールとごく一部塗装による仕上げです。 VFガール(バルキリー少女) とくに頭部……髪パーツの分割と可動はFAG以上だと思います。襟足から後ろ髪だけでなくもみ上げまで可動します。 ただ一方でフェイスパーツの交換にはその髪パーツをけっこう細かくバラす必要があり、その辺りの手軽さはやはりFAGに一日の長があります。 なお、この少女素体ではボディのホワイトやヘッドギア、腰アーマーの色分けがほぼシール再現。 シールが薄いので、ボディ部分は成形色のブルーが透けて、なんか水に濡れたみたいな感じになってますが…… 貼らない場合、ボディはブルー一色なのでほぼほぼスク水です。それはそれ、かもしれませんが。 ファイターモード V.F.G.的には少女がまとう外装となるVF(ヴァリアブルファイター)のファイターモード。 この形態では少女とは完全に独立しています。 デザイン、スタイルともに実際のVF-31Jをほぼ再現。もちろん、V.F.G.としてのギミック再現のために調整された部分はあるのでしょうが、普通にSF戦闘機モデルとして見られる出来だと思います。 ただ、そのまま組んだだけでは思った以上に色が足りません。 シールを貼らない状態だと、機首やウイングなどはほぼ真っ白です。 ガウォークモード V.F.G.としては、少女を乗せて始めてガウォークモードが完成したことになるような感じですが、VFT単体でも一応成立するので、まずはVFだけの状態でご紹介。 ファイターモードからの変形は、まずエンジンブロック(脚部)を取り外し、間接部分を差し替えてはた度取り付け。肩ブロックを起こし、腕部は丸々外付けする形で完成します。 脚部は関節部分でわずかにロール可動しますが間接自体は曲がらないので、脚部に関してはほぼ固定と思ったほうがいいと思います。 機体中央のコンテナブロック(ファイターモードでエンジンブロックに挟まれている部分)は少女搭乗時にシートのような役割を果たしますが、取り外すことも可能です。 バトロイドモード 背中にけっこうな代物を背負った状態になりますが、わりと自立は安定します。 少女の腕とはべつにバトロイドの腕が生えており、擬似的な4本腕状態になっています。 イメージとしては、わりと古くからあるパワードスーツ的な感じですが、大判のウイングと尻尾のように下を向いた機首が覗く後ろ姿には独特の趣があります。 というか、後ろから見るとまるでトランスフォーマー。 ちなみに、この形態ではコンテナブロックは完全な余剰となります。どうせならライフルかなんかに変形させれば良かったのに…… というのもこのV.F.G.、手持ちの武器とか一切付いてないんですよね。バトロイドモードのハンドパーツも、穴の埋まった握り手のみですし…… 適当にアクションカット 少女の可動性能はFAGやメガミには劣りますが、それでも十分なレベルだと思います。 具体的には肘や膝の可動範囲がおよそ90度。なので正座はできませんが、女の子座りはできるからいいよね。 髪パーツの可動は先にも言ったとおり。ガウォークモードでの搭乗姿勢再現のために上体もそこそこ反らせることができます。 気になった点は二つ。 まず、手首のリング状のパーツも含めてハンドパーツが外れやすいのと、腰周りのパーツ(スラスター兼アーマーのようなパーツ)が装備状態がデフォルトなこと。 腰回りのパーツはもちろん外すことはできますが、腰やお尻に普通に接続用の軸が生えてます。 ここはさすがに不評だったのか、8月発売のシリーズ第二弾にて改善が図られているようです。 いや、シリーズ2弾めにして早くもリカラー+バージョンアップアイテムって…… VFのファイターモードの機体底面には、ディスプレイスタンド用の3㎜穴が設定されています。 まぁ、昨今のキャラクターモデルとしては基本でしょう。そもそも戦闘機だしね。 しかし、このキットにはスタンドは同梱されていません…… いや、そこは普通、付けとくもんじゃないの? あと、この形態でも少女と絡ませられるような、例えば懸架用フックとかがあってもよかったかな。 V.F.G.におけるガウォークモード本来の姿がこちら。 ガウォークの脚部に展開したステップの突起を少女の踵の溝にはめ込み、さらに機首後部に取り付けたグリップを保持することで搭乗完了。 脚部の固定のみでもわりと安定するので、片手を外してのポーズも可能。 なにか手持ちの武器でも付いてればよかったんですが、なにも付いてないんですよね。 FAGの付属武器やM.S.G.でも持たせてみるか。 バトロイドモードでの可動は、基本少女素体の可動に準拠します。 ただ、背部ユニットの接続は少女の背中と腰の2点接続になるので、この形態では基本上体を捻ったりはできません。 でも、動かしてる間に胸のほうの接続は外れることが多いですし、腰の接続だけでもさほど問題ないので、正直なんで2点接続にしたのか…… なお、この形態ではスタンドを使ったディスプレイはあまり考慮されていないらしく、適当な場所に3㎜穴がありません。 無理矢理使うとすれば少女の腰パーツの左右、および後ろに空いている穴ですが、各部と干渉する上に穴自体若干大きめなので不安定なことこのうえないです。なんでこうなった? あと、やっぱりバトロイドのハンドパーツが造形の甘い握り手だけというのは寂し過ぎる。 せめてパッケージイラストのポーズが再現できるよう、平手くらいは付けてほしかったもんです。 以上、“V.F.G. ジークフリード” でした。 新規参入ゆえに色々と荒削りな部分はありますが、少女、VFともに造形は申し分なく、VFならではの三弾変形に美少女を組み込むというコンセプトを高いレベルで実現できたアイテムになっていたと思います。 というか、ほとんど初めての挑戦でここまでのモノを創れたのはすごい。某ビルドファイターの一連のアイテムに較べれば雲泥の差です(主に可愛さの面で)。 色分けに関しては始めからわかっていたことなので、個人的には不満はありません。 ただ、水転写デカールではなくシールでの色再現にしたのは、おそらくライトユーザーを意識してのことだと思いますが、結局綺麗に貼るにはそれなりの技倆が必要なので、ここは素直に水転写デカールにしておいたほうがよかったのかもしれません。 僕みたいなライトユーザーは、適当なところで妥協しますからね。 思えば、このテのプラモデルもけっこうな数になってきました。 そして、僕自身そこそこの数を持っていることにあらためて気付く…… プラモじゃないですが、武装神姫もシリーズ中盤くらいまではけっこう集めてましたし、基本的に好きなんですね。 いや、美少女フィギュアが、じゃないですよ。 こういう、武器とかメカとか、そういうのをブロック感覚でごてごて組み替えたりする玩具が。 聖闘士星矢とかも、わりと好きだったしね。 でも聖闘士聖矢はともかく、一連のフィギュアやプラモデルがメカ×美少女じゃなく、メカ×イケメン男子だったら、果たしてここまでヒットしていただろうか? というか、そんなものを僕は買っていただろうか? 要はギャップなんですよね。 メカや重火器といった物々しい存在と美少女のギャップが、世の人々を萌え……もとい、燃えさせるわけですな。 ならその理屈だと、イケメン男子がモフモフの着ぐるみをとっかえひっかえするようなフィギュアが出たらヒットするんじゃなかろうか。似たようなモノすでにあった……かな? といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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