F90用ミッションパックセットの第1弾は、新規にデザインが起こされた電子戦仕様のE(エレクトロニック)タイプと、旧1/100スケールキットでも発売された長距離支援仕様のS(サポート)タイプです。 どうせならAから順番にZまで26種類出していけばいいのに、と思いますが、成型色だったりパックごとのボリュームだったりでいろいろ組み合わせを考えなければいけないようです。 というのも、てっきりパックごとにランナーが分割されているものと思っていたら、1枚のランナー内に2種のパックのパーツが混在してるんですもの。 つまり、今回のものでいうとEパックとSパック、2種類のキットのセットという仕様ではなく、EパックとSパックの2種類のパックが組めるキット、ということです。 おそらくは、今後も成型色が同じパーツは別のパックのパーツでも混在するランナー配置になっていくものと思われます。 まぁ、ある意味効率的だとは思いますが……ただこのやりかた、いつでも企画を中断できる保険のような気がするのは、さすがに捻くれ過ぎですかね? では、レビューに移ります。 キットは素組みに最低限の墨入れ、一部塗装に付属シールと水転写式デカールでの仕上げです。 E(エレクトロニック)タイプ そもそもガンダムのような高級機に電子戦仕様のオプションが必要か? というツッコミはさておき、肩のレーダーがF91の放熱フィンのようにも見えてなかなか面白いデザインです。 全体的には、わりとシンプルにまとめてきたな、という感じもします。1990年当時にデザインされてたら、きっともっとごちゃごちゃしてたと思う。そこらへんは最近の流行をそれなりに意識したのか、セットで2,000円というキットの価格設定も関係しているのかもしれません カラーリングはグレー主体で地味ですが、そもそも目立っちゃダメな仕様だし、そこはべつに構いません。 ただキットとしての色分けに関しては手抜きが目立ちます。細かい部分はすべてシールで、クリアパーツ等も使われていません。本体が完璧だっただけにちょっと残念ですね。 今回は、レドーム外縁左右の赤は塗装しましたが、そのほかはシールで済ませています。 武装・ギミック 指向性ジャミングライフル 大型レドームユニット その他電子戦用装備 肩や腰フロントアーマー、腰後部マウントラッチに装着する各種電子戦装備。 肩の装備は2枚の羽根状レーダー(?)がそれぞれ可動。レンズ部分はシールです。 腰の円形レーダーは中央のスリットとモノアイのような光点がシール。光点はスリット上を左右に移動するようで、とくに貼る位置は決められていません。 腰後部の羽根状レーダーは基部で可動。基部はフックで挟んでいるだけのように見えますが、実際はジョイントを差し込むかたちでしっかり固定されます。 S(サポート)タイプ 肩のハードポイントにはなにも装着しないんですが、メガビームキャノンに付随するアーマー(?)が干渉するため、カバーパーツのみ外しておきます。 僕も旧キットは持っていたんですが、生憎処分してしまって比較はできず。 ただ、F90本体からしてかなりプロポーションが変わっているので、並べるときっと旧キットが可哀想に見えるんだろうな。 造型はともかく、色分けはEパック同様かなり省略されています。 まず、スラスター、ダクト内部はすべてシール。まぁ、ここは枠のグレーはパーツで再現してきたのでよしとしましょう。腕部の2連装ミサイルやクルージングミサイルの赤までシールなのはさすがに……塗りましたけどね。 武装・ギミック メガビームキャノン 4連装ビームキャノン & 2連装ミサイルポッド 付随する2連装ミサイルはブルーグレーでの成型でシールが付属します。当然あまり綺麗には貼れないので、今回は塗装。なお、2発一体成型で取り外しなどはできません。 Stypeのマーキングは水手転写式デカールです。 クルージングミサイル ただし、その状態でディスプレイできるようなスタンドは付属せず、そもそも汎用スタンドを意識した3㎜穴などもありません。 支持ジャッキ マウントラッチに取り付ける基部の形状はEタイプの腰後部レーダーのそれと同じです。 ちなみに、差し替え用シリンダーパーツの差し込みが異様に堅いです。伸びた状態のものはともかく、収納状態のパーツは一度付けると外すのはかなり大変なので、あらかじめ軸をヤスっておくほうがいいと思います。 以下、イメージカット まぁ、この装備で出て前線で戦うようなことがあってはいけないと思いますが。 フロントアーマーに取り付けるセンサーは左右一一体型なんですが、そもそもフロントアーマーが基部ごと引き出せる構造なので、これも脚部の可動にほぼ影響なし。 ただ、前腕およびハンドパーツがすっかり隠れてしまう仕様なので、標準装備の併用は不可能。 一応、ビームサーベルはそのままマウントされているので、万が一のときは装備をパージして抜刀することは想定されているようです。 以上、“ガンダムF90Eタイプ & Sタイプ” でした。 フォーミュラ計画の全貌を解明する! という大風呂敷を広げた“A to Z PROJECT” 。 さすが本体となるF90はMGの最新フォーマットで可動、色分けともに現時点で最高水準のキットになっていたと思います(MGであることの是非は別にして)が、オプションであるミッションパックの出来は、正直微妙といわざるをえません。 造型面はとくに問題ないとは思うんですが、価格を抑えるためか、大振りな一体成型のパーツが目立ち、色分けもシール頼みの部分が多く、おそらくは想定されているギミックの再現も中途半端になっているのではないでしょうか。 REということなら、それでも納得できなくはないですが、仮にもMGでこの程度というのはどうなのか? また、F90本体ではパッケージや説明書が一般販売品とほぼ同じ仕様だったのに対し、こちらはプレバンお馴染みの2色刷りパッケージに組み立て図のみ記載のモノクロの説明書。 いや、パッケージはいいです。説明書も、モノクロで構わない。ただ、新規書き起こしもある各種ミッションパックについての解説は必須でしょう。 わざわざ大河原邦男氏に描いてもらったという設定画も公開せず、なにが全貌解明なのか? 今後、公式サイトなどで公開されるのかもしれませんが、まずキットを買った人が知るというのが筋ではないのか? あとは、残るパックの発売のスパンも気掛かりです。 第2弾、F & Mパックの発売が11月となりましたが、本体およびパックセット第1段の発売から3ヶ月後です。 いや、確かにこれまでのプレバン……バンダイの商品展開を思うと早いほうなのかもしれませんが、F90のミッションパックは全26種類あるんですよ? このまま2パック1セットで同じペースでのリリースとなると、12×3ヶ月で36ヶ月。丸3年。さすがに長いよ。 3年も経てばそもそも本体の構造も古臭く感じられるだろうし、せめて毎月のリリースで綺麗に1年でプロジェクト終了! くらいの勢いがないと、よほどのファンでないと併走できない可能性があります。 そうして人知れずひっそりとフェードアウト……なんてことにもなりかねない。そういうの、これまでに何度もあったからね。 でも、今度そんなことになったらいよいよみ限られるかもしれませんし、そこはバンダイも重々わかっていると思います。 バンダイスピリッツの誕生以降、ガンプラを取り巻く状況でもいろいろと驚かせることがありました。これまで踏み込まずにいた領域に挑む勇気や心意気は歓迎されるところですが、今度はそれをちゃんとまっとうできるのかどうか、真価が問われているのかもしれません。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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