そんなわけで前回に引き続き、レジェンズシリーズ最終アイテムとなる(と決まったわけではありませんが、たぶんそうなる)ビッグパワードをレビューしていきます。 後編となる今回は、総司令官ダイアトラスと3体合体形態となるビッグパワードをご紹介。 それでは、早速いってみましょう。 総司令官 ダイアトラス ロボットモード オーバーロード(そしてブラックシャドー)は、上半身と下半身が分離してそれぞれジェット機と戦車に変形するといういわゆるツーインワンの変形ギミックを持っていましたが、このダイアトラスでは分離機構は廃止され、上半身と下半身は伸縮可動式のアームで連結されています。しかし、これがなかなかの曲者。詳しくは後述します。 上半身はほぼ新規造型ですが、下半身はほとんどがオーバーロード(ギガタンク)からの流用。これはブラックシャドーでもそうでしたが、ダイアトラスについては分離タイプの両者にはあった戦車モードの砲塔部分がまるっとなくなっているので、脛の裏側が悲惨なことに…… しかもあの脆弱な爪先、踵はそのままなので、今はまだある程度のポージングでも自立は可能ですが、将来的にはいろいろと不安になってきます。 無駄に逞しい上半身をほぼ骨だけの下半身で支えているようなものです。きっと、寝たきりでベンチプレスばかりやってたらこんな身体になるんだろう。 というか、無理して繋がずに分離機構を活かしたリメイクという選択肢もあったはず。そもそもオリジナルの企画段階では分離させる案もあったそうですし。 ジェットモード なにかギミックを仕込もうとして断念した名残なのか、よくわかりませんが。 ちなみにオリジナルトイでは電動でドリルが回転、さらにキャラピラによる電動走行ギミックが搭載されていたそうです。 タンクモード ジェットモードではおそらくエンジンに見立てていたロボットモードの腕を前方に回し、主翼をたたんでドリルタンクにトランスフォーム。 まぁ、キャタピラを隠す気がない時点で先のジェットモードもある意味タンクモードですが。 前方に回した腕部も、キャノン砲にでも見立てているんでしょうが、先端には収納された拳が見えるだけで砲口っぽいディティールもなく、かなりやっつけ気味。前編の2人と較べると、どうしてもそう思えてしまいます。 ただ、こういう強引な変形にも、古き良きトランスフォーマーらしさと懐かしく思える部分もあります。 ベースモード スロープ先端にはほかのレジェンズシリーズの基地モードと連結可能なジョイントがそのまま残されていますが、どうせなら仲間の二人と連結できるようにしてほしかったですね。オリジナルでは連結できたんだから。 ヘッドマスター 超大型戦闘母艦 ビッグパワード 前面
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パワードマスター3人のロボットモードおよびビークルモード。 こちらは前編でも見ていただいたので流しますが、あらためて、ダイアトラスのロボットモードでのでかさよ…… 以下、イメージカット ウイングは着脱可能で、左右を連結させることで必殺武器パワードカッターを再現可能。 ただ、この状態では拳での保持はできないので、前腕の5㎜軸に取り付けることになりますが、そうすると武器というよりはシールドみたいです。 ほかにライフルタイプの武器が一つ付属します。レーダー(?)部分が可動式ですが、本体のボリュームと較べるとちょっと貧相に感じてしまいますね。
5体合体 ウルトラパワード ダイアトラスロボットモードおよびビッグパワードと兄弟の合体は、どちらもダイアトラス腕部の5㎜軸と兄弟のビークルモード側面の5㎜穴を使用。兄弟側の穴が浅めで抜けやすいうえに、ロボットモードの場合は完全に重さに腕が負けてしまいます。 ほか、ダイアトラスとソニックボンバーだけが合体したスカイパワード、同じくロードファイヤーのみと合体したランドパワードの各形態が登場していますが、それぞれビックパワードからどちらか1体を外しただけなので今回は割愛。 以上、“LG-EX ビッグパワード(その二 ダイアトラス & ビッグパワード)” でした。 その名の通り、レジェンズの最後を飾るに相応しいビッグアイテムとなった……ならよかったんですが、どうも消化不良というか、すっきりしない内容だったと言わざるをえません。 既存のアイテムをベースにしつつ、新規造型パーツの割合も多く、オリジナルの雰囲気の再現にはまず成功しているとは思います。 もちろんプロポーション、可動性能はオリジナルとは雲泥の差と言えるほどに進化しています。しかし一方で、プレイバリューでは劣化してしまっている部分もあります。 今さら電動走行やゼンマイ可動ギミックを入れてほしいわけではありませんが、そこを省くのなら、せめてほかの部分で補完しないとリメイクする意味がないと思うんですよね。 オリジナルのパワードマスターは、マイクロトランスフォーマー(マイクロマスター)との連動がメインテーマだったようです。つまり、基地モードこそが彼らの真骨頂なわけです(と、僕は思っている)。 だからこそ今回のレジェンズ版でも、そもそもパーシャル基も基地モードへの変形が可能だったダイアトラス以外の2体も、無理矢理にでも基地モードへの変形を盛り込んだのでしょう。 でも、無理矢理はやっぱり無理矢理なわけで、お世辞にもよくできているとは言えない代物になってしまいました。 というか、あれを公式として出しちゃダメだろぅ…… ダイアトラスからして、オーバーロードの時点でオリジナルからかなり劣化している基地モードをさらに雑にしてお茶を濁しているわけですからね。 とにかく急いででっち上げた、という印象が強いです。ダイアトラスの脛裏なんか、まさしくその結果でしょう。 ソニックボンバーはボリューム不足で、基地モードはオリジナルとはまったく違う外観になり、ロードファイヤーは単体としては高い完成度でまとまっているものの、やはり基地モードが残念。ダイアトラスに至ってはオーバロードの欠点を改善するどころか悪化させる始末。加えて強引に分離機能を排したせいで扱いに困るうえ、かえってチープな印象になってしまいました。基地モードについては、すでに言いましたね。 結局、ありものを使った流用は “それらしいもの” はできるけど、“それそのもの” はできないんだ、ということがよくわかりました。 なんだろうなぁ。もっと丁寧に作ってくれていればなぁ。 設定と色使いは、昔のトランスフォーマーと勇者ロボの中間みたいな感じでわりと好みだっただけに、残念な気分です。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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