“機動戦士 Vガンダム” より、 主人公ウッソ・エヴィンの後半の搭乗機 “LM314V21 V2ガンダム” およびその強化プランである “LM314V23 V2バスターガンダム”、 “LM314V24 V2アサルトガンダム”、 “LM314V23/24 V2アサルトバスターガンダム” を、 今さらですがまとめてレビューしていきたいと思います。 MG Vガンダム Ver.Kaが発売されたのが、2009年12月。それから実に6年後の2015年12月にV2ガンダム Ver.Kaが発売されます。 こんなにも長い時間……否、年月がかかったのは、V2ガンダムの分離変形ギミックを1/100スケールで再現するのが強度含め技術的に困難だったから……という理由だったと思いますが、それが発売に至ったということは、そのへんの条件をクリアできたということなのでしょう。 しかし、確かに時期というものもありますし、同じ作品中に卯搭乗するMSで、並べて飾りたいようなものはできるだけ短いスパンでリリースしていってほしいのは事実。でも、それで焦って中途半端なものを出されるよりは、たとえ何年待たされようとより完成度の高いものを出してくれたほうがいいかな、と僕なんかは思うんですけどね。 ただまぁ、6年は待たせ過ぎだよなぁ。 さて、それでもV2 Ver.Kaが発売されたのはもう3年半も前のことで、それをなんで今さら取り上げるのかというと、単純に僕がつい最近買って組んだから、です(笑)。 Vガンダムのほうは発売早々に買ったんですが、わりと早い段階でVダッシュが発売されたこともあり、V2のあとにも当然V2アサルトバスターが来るはずなので、それまで待ってようと思ったらなかなか来ないし…… そうこうするうちにV2単体は見かけなくなって、ようやくアサルトバスターが来た(単体V2発売からこれまた3年後)とも思えばプレバンだし、できれば拡張パーツだけプレバンで受注して、本体は一般のものを買いたいなぁとタイミングを計っているうちにこんな時期になってしまいました。 5次受注、でしたかね。まぁ、上手いこと光の翼の再販も被ったので、まとめて購入した次第です。 本当に今さら感しかないので、もはや自己満足でしかないです。 いや、そんなこと言うならここのレビューなんて全部そうだろ(笑)。 ということで、物好きな方のみお付き合いください。 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと一部塗装での仕上げです。 V2ガンダム(MS形態) MS形態では、本機最大の特徴でもある背部のV字スラスター、“ミノフスキードライブ” も含め、非常にシンプルでフラットなデザインになっています。 ただ、コアファイター収納のクリアランス確保のためか、腹部はちょっと太め。腕や脚がとくに装飾もないスラリとしているだけに、ボディのこのごつさは少々悪目立ちします。 また、Vガンダム Ver.Kaでは可動部の脆弱性やパーツのポロリが問題視されていましたが、V2ではリアスカートが外れやすいことを除きおおむね安定。触っているうちに合体状態が崩れる、ということもありません。 まぁ、あくまで単体MS形態に限っての話ではありますが。 色分けについても、そもそもシンプルなカラーの機体ということもあり、ほぼ成型色で再現されています。 センサーなどのわずかに足りない部分はシールで補完されていますが、肘の赤いリング状マーキングの側面のみ塗装が必要になります。Vの時も塗りましたし、今回も塗りました。 コアファイター V2ガンダムの胸部に変形する小型戦闘機。 Vのものよりも機首が長くなり、後方に伸びるミノフスキードライブとも相まって流線型のスマートなシルエットになった一方、ウイングはなくなっています。 変形パターンはVのものとよく似ていますが、頭部はカバーパーツで覆われるかたちになり、正面からは完全に見えなくなりました。ただ後ろからは頭頂部が丸見えです(笑)。 コクピット内のパイロットフィギュアはウッソとマーベットさん。いや、そこはオリファーさんじゃないの? モトラッド艦隊への特攻が再現できないよ。あと、シャクティの立ちフィギュアも付属します。 ランディングギアを象った台座が付属。 毎度思うんですが、なんで透明クリア成型にしちゃうんだろう? 普通にグレー成型とかでランディングギア付けてくれればいいのに。 また、スタンドディスプレイ用に専用のアタッチメントも付属します。こちらもクリア成型。 トップリム トップファイター V2ガンダムの上半身および前後のスカートに変形する重戦闘機。いわゆるAパーツ。 Aパーツのみの状態がトップリム、コアファイターが合体した状態がトップファイターです。 MS形態はけっこうかっちりしているんですが、この形態はコアファイターの固定が非常に甘いです。 Vでは前に向いていた腕部は後方に回され、多少航空機らしいシルエットになりました。 Vではこの形態でもビームサーベルやビームシールドを使った格闘戦が可能でしたが、V2の場合はあまり向いていないようです。 ちなみにこの形態用の台座はありませんが、スタンドディスプレイにはコアファイター用のアタッチメントがそのまま使えます。 ボトムリム ボトムファイター V2ガンダムの下半身に変形する重攻撃機。いわゆるBパーツ。 Bパーツ単体時がボトムリム、コアファイターと……以下略(笑)。 重攻撃機といいつつ、単体での武装はコアファイター機首のバルカンほうのみで、ふくらはぎのハードポイントにオプションを懸架することでようやく攻撃機としての役割を果たせる感じです。 変形は、ただ脚を後ろに伸ばしただけのように見えますが、腰ブロックは各パーツがけっこう細かく移動しています。それでも、Vのそれよりはかなり単純化されている印象(コアファイター、トップリムも同様)ですね。 なお、この形態のジョイントはMS形態時のそれを併用しているのでかっちり固定されます。 トップリム、ファイター同様専用の台座は付属せず。ディスプレイ用のアタッチメントを使い回すのも同じです。 武装 ビームライフル なお、ハンドパーツは状況に応じて人差し指以下の4指を交換するタイプですが、すべての武装において固定が甘く、基本グラつきます。 ビームサーベル なお、扇状のサーベルについてはほぼ満足に持てません。 ビームシールド 光の翼 V2バスターガンダム(MS形態) 内容はVダッシュからの流れとなる背部オーバーハングパックとマイクロミサイルポッドの追加になります。装甲等の増設はありません。 オーバーハングパックとミノフスキードライブの配置については、一度ドライブを外し、パックを装着したうえでその外側からドライブを再度取り付けるというというのが本来の設定だったそうですが、アニメ劇中でも何度かその設定を忘れてドライブの上からパックを装着するシーンがあったりと混乱していた模様。 今回のVer.Kaでは、本来は間違いである直接ドライブの上からパックを装着する仕様になっています。まぁ、実際そのほうが合理的ではあるよなぁ。 コアファイター コアファイターにオーバーハングパックを装着した状態で、V2バスターコアファイターと呼ばれることも。 パック装着に際して、通常のコアファイターから一部パーツを変更しています。 なお、これ以外にもアサルトバスター拡張パーツにおいて各装備取り付けのため、また関節強度向上のために一部でフレームパーツを交換する必要があります。 つまり、先にV2単体を組んでいた場合、いくらかバラさなければならない、ということです。実際、僕はトップファイターまで組んでいたので、腕をバラすハメになりました。 まぁ、僕みたいに素組みで済ませてる人ならまだいいですが、合わせめ処理や塗装までしていた人にとっては悲報というほかありません。 スカートへのミサイルポッドの装着などは装甲を開閉させることで対応できているのに、このオーバーハングパックやアサルトの肩アーマーの装着にはフレームごと交換が必要とか…… V2をキット化する段階でアサルトバスターへの換装は既定路線だろうに、なんでこんな中途半端な仕様なのか? なお、この形態でもコアファイター用台座は取り付け可能ですが、接地はできません。意味ない。 バスターパーツを取り付けた状態で。 以降、分離形態のバックショットは代わり映えしないので割愛させていただきます。 とにかくオーバーハングパックのインパクトが強くて、ほかの追加パーツがほとんど目立ちません。まぁ、そうはいってもほかもミサイルポッドだけなんですが。 武装 メガビームキャノン スプレービームポッド マイクロミサイルポッド 腰フロントスカート、リアスカート、ふくらはぎ側面に計6基。総数40発の小型弾頭が装填されたミサイルポッド。 ハッチの開閉はパーツの差し換えで再現します。ただ、ふくらはぎのぶんはそのまま変更可能ですが、各スカートのほうは一度取り外す必要あり。 それにしても、こんな小さいミサイルにどれほどの効果があるんだろう? V2アサルトガンダム(MS形態) 前面
アサルトパーツ装着状態で。 バスターの場合と違ってコアファイターに変更点はありませんが、そのぶんA、Bパーツ……とくにAパーツの追加要素が多く、単体時とはかなり印象が違っています。 ヴェスバーがクローアームのように見えて、もはやMAに近い感じ。 武装 メガビームライフル そうしたうえでハンドパーツにグリップを握らせることになるのですが、ハンドパーツの保持力はほぼないに等しいため、固定はおおよそホルダー頼みになります。ただ一方でホルダーのほうも中程から分解しやすく、結果安定性は非常に悪いです。 メガビームシールド ただ、そういった状況を演出できるエフェクトパーツ等は付属せず。 一応、バリアビットだけは取り外し可能ですが。 マウントおよび保持方法はメガビームライフルと一緒ですが、こちらはジョイントアームの可動部が緩いこともあってライフル以上に不安定。 また、ライフルと違って分離飛行形態でのマウントも(あくまで公式には)できません。 基部となるサイドアーマーの接続が緩いため、常にグラグラします。 V2アサルトバスターガンダム(MS形態) 全部盛りで。 トップファイターのMA感がさらにひどく……(笑) ボトムファイターのほうは、バスターパーツのみの場合とさほど変わりありません。ただこの形態ではマイクロミサイルポッドを装着しているため、分解したメガビームライフルのマウントはできなくなっています。 比較画像 HGUC版と。 分離変形をオミットしたことで、HGUC版はMA形態時にプロポーションやアクション性を重視した画的に映えるキットになっています。 アサルトバスター形態については、HGUC版のオーバーハングパックは本来の設定に準じた仕様になっているので、ミノフスキードライブがかなり外側に広がっています。 どちらにしても、並べるとMG版がどうしてももっさりした感じに見えてしまうなぁ。どちらかというとスタイリッシュさがウリのVer.Kaなのに。 太腿のロール可動なんかは、MG版でも可能だったように思うんですが。
以下、イメージカット 肩は単体発売時のままだと少しだけ前後にスイングできたんですが、アサルトバスターパーツ取り付けに際して固定のものに変更。前後スイングはもちろん、上向きに跳ね上げたりもできません。 股関節も固定で、こちらもアサルトバスター拡張パーツで単体版から交換。軸が斜め上を向いたものになりました。たぶん、肩幅に足を開いたときに一番安定する角度なんでしょう。脚付け根の接続自体はボールジョイントです。 肘や膝の可動は標準的。案外立て膝は綺麗にできます。 最大の特徴であるミノフスキードライブは、カバーの開閉は当然ですが、可動については左右にわずかに振れる程度。上下にはほぼ動きません。そのため、せっかくの光の翼エフェクトもほとんど真後ろに向けることしかできません。 以上、“MG V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka” でした。 Vガンダム Ver.Kaの発売からもう10年近く経ってるんですね。僕も歳をとるわけだ…… ただ、確かにVガンダム Ver.Kaはストレスの溜まるキットではありましたが、アニメ放送当時では不可能だった1/100スケールでの……おそらく設定に限りなく近いかたちでの分離変形ギミックの再現は見事だったと思います。 関節強度の低さやパーツのポロリが多かったなどというストレスの原因にしても、それなりの技術や経験のあるユーザーなら個々に対応できたでしょうし、少なくとも素材としてはかなり優秀なキットだったのではないかと。 僕個人もMS形態の造型、プロポーションはけっこう好みです。 さて、そんなVガンダム Ver.Kaの発売後、6年も経って世に出たV2ガンダム Ver.Kaですが、正直6年もかけてこれか? と首を傾げたくなります。 そもそも、V2単体の変形パターンはVのそれよりもむしろ簡略化されているのに、ともかくもVを発売した後でV2の開発が技術的に困難という理由がわからない。もちろん、V発売後にいろいろと問題が浮上し、その検証や克服に時間がかかる、ということはあるかとは思いますが。 そのあたりも含めて、僕はV2の開発に当たっては、きっと分離変形と可動の両立に苦労しているんだ、と思っていました。 しかし、いざ蓋を開けてみると、V2ガンダム Ver.Kaはもはや潔いほどに可動を捨てています。 なるほど、そのおかげか分離変形はしっかり再現されていると思いますが、それはVの時点でできていたことです。 でもまぁ、それだけならまだいいです。 僕が……というかおそらく多くのファンがこのV2ガンダム Ver.Kaで一番解せないだろう、許せないだろうことは、その冗談かと思えるほどのオーバースケールです。 先の比較画像の項でも明らかな通り、アレンジのために若干全高が高くなったとかいうことではなく、明確に膨張しています。 つまるところ、V2ガンダム Ver.Kaは、Vガンダム Ver.Kaよりもいくらか単純な分離変形ギミックを、若干拡大したサイズでようやく再現できている程度のキット、といわざるをえません。 あげく、当然想定されるアサルトバスターパーツの装着にすら対応しきれていないとか…… もちろん、当初はそのまま対応させるつもりだったんでしょうが、後の検証でなんらかの基準を満たせなかった、あるいはより安定度を高めるため、一部パーツの変更という措置を執ったのだとは思います。 アップデートといえば聞こえはいいですが、そもそもVから6年も経ってるわけです。開発に丸々6年かけていたわけではないにしても、分離変形に次いで重要度の高いギミックへの対応が不十分とか、ちょっとお粗末過ぎやしませんか? そしてまたアサルトバスターパーツの発売まで3年待たされるわけで、これはもうやる気がないと思われてもしかたがないでしょう。 作品自体あまり人気がないと思われているVガンダムですが、アサルトバスター拡張パーツが現在プレバンで6次受注まで続いているということは需要は確かにあるわけで、キットそのもののの出来、リリーススパン含め、もうちょっとどうにかならなかったのか? と思ったりもします。 まぁ、本当に今さらな話なんですが。 とりあえず同じ作品中に登場するMSのキットはスケールを合わせてください、カトキさん。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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