2016年9月に発売された “LG-31 フォートレスマキシマス” の仕様変更品として、タカラトミーモールで受注限定発売となったグランドマキシマス。 ただ、受注数が2000個に満たない場合は発売自体が中止という条件付きでした。 一方で、3000個に達すれば特典としてグランドプリテンダースーツが付属するということで購入者を募ったわけですが、結果は受注2000個は達成して発売にはこぎ着けたものの、3000個には至らず、特典は付属せず、単純なフォートレスマキシマスの色変え商品として世に出ることになってしまいました。 僕自身はフォートレスマキシマスの発売当時、経済的な理由で購入を見送ったこともあり、今回のグランドマキシマスに関しては一応受注はしたものの、発売中止ならそれはそれで仕方ないや、くらいの気持ちでいたんですが……ある意味で想像していた最悪の結果になってしまいましたね。久々に後悔してる。 いや……ね、3000個いかなかったのは、それはまぁ仕方ないと思いますよ。高額商品ですし、そもそも売り方が悪い。というか、頭が悪過ぎます。 受注数2000に達して発売が決定したことが奇蹟だったとも思いますが、だったらもう嘘でも3000個達成したことにして特典付けときましょうよ! さすがに嘘はつけないなら、「3000個の受注には至りませんでしたが、無事発売が決定したことを記念し、さらに予約してくださった皆さまに感謝して特典として予定していたグランドプリテンダースーツを付属いたします」 くらい言いません? あんなもの実際のコストは数百円しないだろし、その程度のサービスはするだろ、普通。 なんでそこ真面目に最初に言ったこと守ってんだよ? というか、そもそもグランドマキシマスはヘッドマスターであると同時にプリテンダーでもあるわけで、ならあのプリテンダースーツは最初からセットされてないと。受注多数の特典にすること自体がおかしい。 付属コミックにもばっちり登場してるんだよ。 結局のところ、タカラトミーはまたも未完成品を……それも定価で売りつけたわけです。 年度末に高額商品を大量投入してきたことといい、本当、この会社のマーケティング部門(なのかな?)はどういう神経してるんだろう? ゴッドファイヤーコンボイの回収騒ぎも。そういった販売側の浅はかさが原因なのは明白です。 このグランドマキシマスにしても、少なくとも僕の許に届いたものは件のゴッドファイヤーコンボイのような明らかな不具合はありませんでしたが、一部塗装が雑さや、パーツのバリ、間接部の緩さなど、急ごしらえ感が垣間見える出来でした。 なんかもう、決算前に少しでも売り上げを増やそうという魂胆が見え見えなんだよなぁ。まぁ、そうとわかってて乗っちゃうこっちにも非はあるんですが…… まぁ、とりあえずはレビューしていきたいと思います。 一応最初に断っておきますが、否定的な感想が多いです。すこはあらかじめご了承ください。 グランド ロボットモード ボディは電池ボックスとスピーカーも兼ねているので、わりと箱型。手脚も直線主体の非常にシンプルなデザインです。 この形態がメインではないとはいえ、歴代司令官の中でダントツに地味なお姿ですね。 ヘッドモード 腕なんかはとくに固定もできないので、腕自体の接続の緩さもあって微妙にぐらつきますし。 小さいサイバトロンマークがひっくり返った状態で覗いてるのもなぁ…… ヘッドマスター グランドマキシマス ロボットモード でかいのでいつもの撮影ブースには収まらず、ダイナザウラー、メトロフレックスに続いて屋外での撮影となりました。 どうしても影ができてしまって見えづらい部分はご容赦ください。 ライトグレーがダークブルーに、ブルーがレッドにと、メインカラーが変更されただけで、形状そのものはフォートレスマキシマスとまったく同じです。 本来の設定ではサイズがまったく違うようですが、当然トイの大きさはそのままです。 もとがっちり……というか、太ましい体型のイメージなんですが(実際、パッケージのイラストもけっこうずんぐりしてる)、諸事情で随分スマートになってしまいました。 また、オリジナル旧トイで印象的だった脇腹のタキオンビーム砲の展開を始め、旧トイに搭載されていた色々なギミックがほとんどオミットされています。 大きさそのものはさすがの迫力ですが、正直ただでかいだけという印象が拭えません。 メトロフレックスで免疫ができちゃったのかなぁ……順番が逆だったら、また違ってたかもしれないけど。 例によって大版のカラーシールが付属しますが、今回は目立つお腹のサイバトロンマークだけ貼って、あとは貼らずにおきまし ていうか、あの腹のマークは印刷にしとくべきじゃない? 宇宙戦艦モード いわゆる “戦艦マキシマス” 形態。 基本はロボットモードで万歳した状態で仰向けに寝るだけという、超簡単変形。 メトロフレックスの時も思ったんですが、インストのあっさり具合ときたら…… ダイナザウラーはもうちょい複雑だったけどね。 まぁ、耐久性とかの問題もあるんでしょうが、トランスフォーマーってサイズがでかくなるほど変形が大味になりますね。あと内部の梱包が雑になる。 要塞基地モード オリジナル旧トイでは第三の形態として都市モードに変形したんですが、LG メトロフレックス(ジェネレーションズ版メトロプレックス)から多くのパーツを流用した今回の型ではそれらしい形態への変形は不可能と断念され、代わって採用されたのがこの要塞基地モード。 戦艦モードから前後を入れ替え、脚部を横に開いただけ。 ……うん、ひどい。とくに後ろからの姿見れたもんじゃないよ。 個人的に、グランド(フォートレス)マキシマスにとって都市モードは一番のウリだと思うんですが、それが再現できないのはリメイクとしてどうなんだろうか? 武装、ギミック等 マスターブレード ダブルレーザー その他火器類 ライト&サウンドギミック オマケ 具体的には、右前腕のカバーの開閉(内部のスレマーキャノンはオミット)、右腕基部(メトロフレックスの時は左腕でした)の可動、そして脛パーツの展開。 とくに、脛のパーツはフォートレスマキシマスでは接着されていたものが、今回はちゃんと開けるようになっています。もちろん、とくに新規でギミックが盛り込まれているわけではなく、インストにも記載はありません。 あくまで仕様でしかないんですが、このおかげでフォートレスマキシマスよりも遊びの幅が広がったように思います。 LG-EX メトロフレックスと比較 ロボットモード リデコ元のメトロフレックスと並べて。 この巨体が二つ並んだ光景はなかなかに壮観ですが…… ヘッドオンギミックの有無で頭身バランスが随分違って見えます(というか、メトロの頭小さ過ぎ……)が、手脚の長さや腰の位置はほぼ同じです。 一見して同じパーツとわかるのは前腕と脛、足、そして腰(前後が入れ替わっています)。あと、メトロフレックスの脛前面のパーツ(戦艦モードでのカタパルト)がマキシマスのマント(?)に流用されてたりします。 戦艦モード
適当にアクションカット 戦艦モード、基地モードでそれぞれヘッドマスターやミニビークルと絡めて。 各部にはLG ブロードキャストやLG スーパージンライの基地モードと接続可能なジョイントがありますが、そのへんも含めてどうにも取って付けた感が強く、リデコ元のメトロフレックスよりもプレイバリューで劣ると言わざるを得ません。 以上、“LG-EX グランドマキシマス” でした。 今回このグランドマキシマスを触ってみて、リメイクってなんなんだろう? とあらためて考えさせられました。 同じものをただ同じように作るのがリメイクじゃない。新しい技術、新しい発想でよりよく作り直すことがリメイクなんだと僕は思うのです。 (以下、グランドマキシマスというよりもそのリカラー元であるフォートレスマキシマスに関しての意見になります) そういう意味では、LG フォートレスマキシマスはメトロフレックスからの大幅流用が前提という大きな制限のなかで開発され、結果として雰囲気こそオリジナルに近付けられたものの、都市モードへの変形の断念、各種ギミックや付属品のオミットなど、プレイバリューはオリジナル旧トイに較べるべくもなく、リデコ元のメトロフレックスにも見劣りするものになってしまいました。 正直、そうまでしてあのタイミングでフォートレスマキシマスを発売する必要はあったんでしょうか? 僕はあったと思います。 タイタンズリターンと銘打ったヘッドマスターシリーズのリメイクに当たって、そのフラッグシップでもあるフォートレスマキシマスの発売は絶対条件だったとも言えます。 ならばこそ、本気で作るべきだった。メトロフレックスの流用なんてすべきじゃなかった。 もちろん、完全新規でこんな大物を作り出すのは大変な労力だとは思います。でも、実際メトロフレックスは作られたわけですし、のちにダイナザウラーも作られています。できないはずはない。 逆に、これだけの人気キャラクター、オリジナル旧トイにしても記念碑的なアイテムでもあるフォートレスマキシマスのリメイクをリデコで済ませようとした神経が理解できません。 この無茶振りというか、オリジナルに一切リスペクトのない上からの要求に、実際に開発に携わった人たちはどう思ったんでしょう? LG オーバーロードの時にも思ったんですが、オリジナルでできていたことがリメイク版でできなくなってるのはいかがなものか? それをよしとする、むしろコストカットなどを理由に端からそういう仕様を要求する上の考えかたはいかがなものか? もちろん、オリジナルよりも遥かに出来が良くなっているリメイクアイテムのほうが圧倒的に多いんですが、とくにリーダークラス以上の高額商品で最近そういう傾向が目立つように思うんですよね。 僕の言ってることって厳し過ぎるかなぁ? といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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