漫画誌との連動でガンプラブームの一翼を担った “MSV(モビルスーツ・バリエーション)” 。 その後続として企画されたのが、今回紹介するアクトザクなどを生み出した “MS-X(モビルスーツ・ペズン)” になるわけですが、当時はZガンダムとの兼ね合いもあって企画自体が中止となり、キットシリーズの展開は幻と終わりました。 それから30数年……名義こそMSDに変更されたとはいえ、まさかあのアクトザクが最新フォーマットで発売される日が来ようとは。 MSD名義ということで、ザクキャノン・テストタイプと同じ轍を踏むのではないかと少し不安だったんですが、型式の数字のあとに余計なアルファベットもないし、どうやらちゃんとアクトザクのようです。 もちろん、デザインのリファインもあるので、大河原御大のイラストとは細部が異なりますが、それは解釈の違いということで許容範囲だと思います。 それでは、レビューに移りたいと思います。 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと一部塗装による仕上げです。 アクトザク(キシリア隊機)と比較 先に一般販売されていたキシリア隊機と並べてみます。 カラー以外の本体の変更点は肩とバックパック、そしてヘルメットの額部分のみ。ただ、肩はアーマーだけでなくブッロクそのものが変更されています。 こうして見ると、キシリア隊機にはまだザクの面影が残っていますが、正規のアクトザクはもはや完全に別のMSですね。右肩のL字シールドの記号的存在感たるや…… でも、このアクトザクのキットにはオリジン系ザクの間接パーツが一部流用されているわけですが、そもそもの設定としてザクとのパーツ共有はあるんですかね? 付属武装等 ビームライフル ビームサーベル バックパック 適当にアクションカット 肩とバックパックが変わっている以外、本体に違いはないので、可動性能は先に出たキシリア隊機と変わりなし。 バックパックと腰サイドアーマーを繋ぐ動力パイプのせいで腰の可動が制限されるのも同じです。 ただそれ以外はおおむね良好で、接地性も問題なし。 以上、“HG アクトザク” でした。
名義こそ違えど、これまでキット化されなかった幻のMSが発売されたのは非常に意義のあることだと思います。 プレバン限定品ではありますが、色分けなど、単体のキットとしての完成度も非常に高い良作です。 惜しむらくは、やはり名義の問題でZ版のキットはおそらく発売されないだろうということ。 MSDはあくまでオリジンから派生した企画ですし、たとえ開発そのものは一年戦争時代に行われていたとしても、その後に登場した仕様変更機まではフォローできないでしょうし。 オリジンのHGキットをHGUCとして出せるのなら可能でしょうが、過去にそんな例はないですしね。 なので、そこはまぁしかたないとして、それよりももっと前の段階で引っかかっているのは、なぜキシリア隊機なる無理のある機体を新たに設定したのかということですよ。 どうして最初から、このアクトザクを一般販売できなかったのか? あのワンクッションがなぜ必要だったのか? よくわからない中途半端なキットを一般販売でリリースして、ファンが本当に欲しいキットはその後にプレバンで、というのはここ最近よく見るパターンなのですが、本当、そういうのいつまで続くんですかね? 夏を前にMSD版ジム系のシリーズ展開が始まるようですが、これもまた最初に新設定の機体を一般で出して、みんなが欲しいあんなジムやこんなジムはことごとくプレバンになるのかなぁ…… まぁ、それならそれでもうべつにいいんですけどね。そういう売り方をするなら、せめてパッケージとインストをなんとかしてくれ、と。 たまにインストだけはカラーで機体解説も書かれてるやつがあるけど、そのへんの差はいったいなんなんだろうか? といったところで今回は終了。 またのご訪問を。
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