発表からそこそこ時間がかかりました(途中、あとからでてきたアビスクローラー等に追い抜かれたりもしました)が、ヘキサギア初の大型キット、遂に発売です。 外箱も、従来アイテムの縦長の箱を横に二つ並べた横長(というか正方形に近い)タイプになり、高さもアビスクローラー並。箱自体の紙の厚みも増しています。 価格も第1弾キットのレイブレード・インパルス、ボルトレックスの3倍弱、直近のアビスクローラーの2倍という大ボリュームのキットになりました。 一方で、ヘキサギアというシリーズのコンセプトを鑑みるに、その保持力、強度、安定性に大きな不安があったのも事実。 発表から発売までに相応の期間を要したのも、そのあたりの調整に時間がかかっていたのかもしれません。 果たしてその結果やいかに? このキットの出来によっては、今後のヘキサギアの方向性もまた変わってくるでしょう。 少なくとも、設定画の発表以降ほぼ動きのないカミナリ竜モチーフの超大型ヘキサギアの行く末には大きく関わってくると思います。 それでは、レビューしていきます キットは、素組みにごく一部のみ塗装で完成させています。 前面
これに関しては、判断は難しいところですね。ただ、ぐりぐり動かせるけどあちこちへたれまくるよりは、多少動きが制限されてもポージングが崩れないほうがマシ、という考えかたもあるかとは思います。 また、頭部や首など本体前半部分にパーツが集中しているせいもあって重心が前方に偏り気味なうえ、脚部は細く接地面積も狭いために自立の際にはバランスに細心の注意が必要です。 なにせ、尻尾だけはボルトレックスからほとんど変更がないので…… 色分けは、さすが大型キットということもあり、本体に関しては塗装済みパーツも含め、かなりの精度で再現されています。 足の甲のアーマーのオレンジなんか、普段なら無視されてそうな部分までパーツで色分け。 ただしオプション類に関しては再現されていない部分も多いです。 武装 & ギミック プラズマディスチャージャー
クライムパニッシャー & インペリアルフレイム さらに中央の大顎を展開して放つ収束性雷火光条 “インペリアルフレイム” はアグニレイジの最強兵器。 発射口の内部にはブルーのクリアパーツが使われています。 また、インペリアルフレイムとはべつにインペリアルロアーという咆哮で敵性ゾアテックスの動きを封じることもできるそうな。ドラクエ的にいえば “雄叫び” ですな(そのまんまだ)。 なお、目に当たる部分(センサー?)は塗装済みパーツで再現されています。 多目的2連レーザー砲 グラビティコントローラー ソリッドウイング ウイング先端部のクローはそれぞれが独立して可動。 前方、外側に生えた四つのクローはボール可動でぐりぐり動きますが、後方内側に生えた三つのクローは軸接続のため回転のみ可能です。 ハンティングフック & プラズマタロン 脚部そのものの可動性能もあまりよろしくないので、なかなか派手なアクションはとれません。 2連装プラズマキャノン & テイルブレード フライドローン 自立型の小型機動兵器。 通常はアグニレイジの左右大腿部に1基ずつマウントされます。 なお、横のオレンジ色のパーツはヘキサグラムストレージ。スケアクロウやバンディットホイールにも搭載されていた、ヘキサグラム貯蔵装置ですね。今回は励起状態のヘキサグラムパーツは付属しません。 フライドローンに話を戻します。 その名の通り、飛行形態が基本のまさにドローン兵器ということなんでしょうが、パッケージにはローター部をホイールに見立てたような、地上タイプらしき形態の画像もありました。しかし、説明書などではとくに言及されず。 まぁ、このへんは自由な発想で、ということでしょう。 長く展開するアームの先端にはパルスガンを備え、これは取り外してガバナー用の手持ち火器としても使用可能ということですが、そのためのグリップパーツなどは付属せず。ただ3㎜の軸接続なので、既存のパーツの流用は可能です。 飛行状態でのディスプレイには、アームに取り付ける専用アタッチメントを介して各種スタンドを使用します。 ドローンの頭部は設定では上面装甲が赤(なぜか作例画像ではガンメタのまま)、カメラがブルー、下部のロールバーがホワイトですが、キットはガンメタの一体成型。 本体はかなり細かい部分までパーツで色分けされているのに、オプションの扱いは途端に大雑把になるのはコトブキヤではままあることですが。 今回はカメラ内部のみ、メタリックブルーで塗装しています。 ガバナー用シート & 固定用アタッチメント 通常はアグニレイジ本体の背部に収納され、ガバナー搭乗時に起こすことになります。 実際のところ、ガバナーはほぼ立った状態での搭乗になるため、完全に腰を下ろすというよりは軽くお尻を乗せるだけのスツールみたいな感じでしょうか。 このシート自体にガバナー固定用の機構はなく、専用のアタッチメントを取り付けることでそれが可能なんですがどういうわけか女性型ガバナー用のパーツしか付属しません。 男性型と女性型では背の高さ(具体的には胴の長さ)が違うため、それぞれに応じた長さのパーツが必要なので、普通に考えれば両方とも付けそうなものなんですが…… 仮にどっちか一方しか付けられないなら、男性型用を付けるべきだと思うんだけどなぁ。男性型ガバナーのほうが数は多いんだし、パッケージイラストで乗ってるのはエクスパンダーだし…… ともかくも男性型専用のアタッチメントは付属せず、その代わりにフレイングベースミニに対応したアタッチメントが付属します。つまり、男性型ガバナーはこっちを使って固定しろ、と。 う~ん、謎の仕様…… 降着姿勢 比較画像
以下、イメージカット
腰の接続をボールジョイントにしたレイブレード・インパルスなんか、4本脚にも関わらずもうほぼ立てませんよ(笑)。 唯一、尻尾のみボールジョイント接続ですが、重さに負けることもないでしょう。 画像では、膝内側関節部の3㎜穴に汎用スタンドを二つ差し込んで浮かせています。 これで安定するんだから、それだけ保持力が高いということでもあります。
以上、“ヘキサギア アグニレイジ” でした。 ヘキサギア初の大型キットということで、期待半分、不安半分でしたが、結果的には予想とは反対の意味で満足半分、不満半分といったろころでしょうか。 まず最大の懸案事項であった、強度、保持力、安定性についてですが、これが予想に反してほぼほぼ問題ないレベルでした。 もちろん、時間が経てば変わりません。汎用ジョイントパーツを動かしていくと徐々に緩んでいくのはもはや仕様だと思っているのでどうしようもありませんが、少なくとも完成直後に腰砕け、ということはありませんでした。 自立が少し不安な部分はありますが、これはデザイン上やむを得ないでしょう。バランスさえとれればちゃんと2本脚で立てますし。 ただ、それらも可動を犠牲にして得たものだと思うと素直に喜べません。 それが、予想外だった2点め。思いのほか動かない、ということ。 見た目に動きそうな部分が動かないのは、けっこうなストレスです。巨大なウイングも大きく二箇所でしか動きませんし、体幹も腰でしか捻れません。柔軟に動いてしかるべき首は下向きに曲げることしかできす、頭部を左右に向けることもできない…… まぁ、これらがすべて柔軟に動けば、おそらくそこらじゅうが重さに耐えきれずにへたりまくる、RE ハンマ・ハンマのような残念なキットになっていたかもしれませんし、難しいところではあります。 それと関連して、モードチェンジギミックが省かれたのも残念です。 キットブロックというシリーズコンセプトが示すように、組み替えが醍醐味とも言えるヘキサギアですが、本格的な組み替えをするには技術もセンスも必要で、少なくともライトユーザーが気軽に楽しめる遊びかたではありません。 まぁ、ヘキサギアに手を出す時点でそれなりにコアな人たちなのかもしれませんが、それでも気軽に形態変化ができるモードチェンジギミックを歓迎する人は少なくないと思います。 そもそも、これまでの小サイズキットできていたものが、設定上の説明も特になくただオミットされているというのは納得がいきません。 結局のところ、アグニレイジはヘキサギア規格でちょっと大きめのキットを作ってみた……という程度のものでしかありません。 独自の機構もとくになく、とりあえずこのサイズでちゃんと自立する、各部がへたることもない、だけ。 クライムパニッシャーやハンティングフックの展開、スラスターカバーや胸部アーマーの連動可動、フライドローンなど、細かいギミックはいろいろ盛り込まれていますが、それらが活かせる=それらが映えるアクションポーズがとりにくいというか…… プロポーションについても、設定画は格好いいんですが、それが立体に落とし込めていない。全体にちぐはぐな感じがします。ただこれも、可動が制限されているせいでポージングがイマイチ決まらないせいもあるのかもしれません。 でも、巻末に載っている公式作例のロブスターっぽいモデルのほうが、なんかまとまりがある気がするんですが…… あれ作りたいんだけど、細かい部分がよくわからない。公式ブログで作り方解説してましたっけ? とまぁ、いろいろ厳しいことを言いましたが、本音を言うと、バリバリに可動してもそのせいであちこちへたりまくるよりは、まり動かないまでもしかりポージングを維持できる今回の仕様のほうが安心感はあるのでよかったかな、とは思います。 だから今後ですよ。今後、この安定性を保ったままで可動性能の向上を目指してもらいたいと思います。 ただ僕個人は、とくに大型キットの発売は望んではいないですけどね。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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