アニメ第一作 “戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー” と2作目の “2010” は海外製アニメの日本版ローカライズですが、続く3作目の “ザ☆ヘッドマスターズ” からは日本製作となり、今回紹介するドレッドウインド、ブラックウイングがバスター、ハイドラーの名で登場する “超神マスターフォース” はシリーズ第4作にして日本製アニメの2作目ということになります。 海外では玩具のみで展開したシリーズとなり、サイバトロン(オートボット)、デストロン(ディセプティコン)の所属は基本同じながら、日本でゴッドマスターと呼ばれていた戦士たちはパワーマスターと呼ばれ、名称のほか一部カラーリングにも違いがあったようです。 一連のプライムウォーズトリロジーでは、第1弾のコンバイナーウォーズ(日本ではユナイトウォリアーズとして発売)でスクランブル合体戦士の、第2弾のタイタンズリターン(日本ではレジェンズシリーズに組み込まれて発売)でヘッドマスターのリメイクが成されました。 となると、第3弾のパワーオブザプライムでは、当然ゴッドマスターのリメイクがされるのかと思いきや、それっぽいギミックは取り入れながら、ゴッドマスター(パワーマスター)については一切言及なし。 まぁ、タイタンズリターンの段階でスーパージンライやオーバーロードがヘッドマスターとしてリメイクされていたので、初めから期待はしてなかったんですが。 プリテンダーのほうが優先されたのが意外。日本ではイマイチ受け容れられなかったアレに、海外では根強い人気があったんだろうか? ちょっと話が逸れました。レビューに移ります。 ドレッドウインド ロボットモード 先にも言ったように、ゴッドオン(パワーオン?)ギミックはオミットされ、その代わりなのかコンバイナーギミックが新たに与えられています。 というか、コンバイナーウォーズで発売されたエアーボットの一員、スカイダイブのパーシャルになります。 半分近くが新造のパーツになり、カラーリングも含めてそれらしく再現してはありますが、それらしいに留まっている感じ。とくに後ろ姿にはまったく面影がありません。 まぁ、顔と肩のジェットエンジンだけでも十分キャラクターの判別できるので、再現度としては及第点はとれていると思います。むしろ、コンバイナー仕様と割り切れば十分かと。 ビークルモード オリジナルではF-16 ファイティングファルコンにトランスフォーム。 今回のPP版では、完全再現とはいかないまでも、少なくともロボットモードよりは近いイメージになっていると思います。 まぁ、形はほぼスカイダイブと変わらないんですが……ウイング下のジェットエンジンがポイントになっています。 合体モード ブラックウイング ロボットモード 彼もまたエアーボットのエアーライダー(海外名エアレイド)のパーシャルになっていますが(というか、スカイダイブとエアーライダーがそもそもパーシャルなんですが)、ドレッドウインドに較べてかなりオリジナルに近い仕上がりになっていると思います。 ただ首の処理が独特で、常に若干浮いた感じになってしまうのが残念。 ビークルモード オリジナルではイギリスの戦闘機、トーネードにトランスフォーム。 こちらもわりと近いイメージにまとまっているように思います。 一見、元型のエアーライダーとほとんど一緒に見えますが、変形のために機首の接続部やウイング基部などはまるっと新造されています。 あと、ドレッドウインドもそう(元型のスカイダイブやエア-ライダーも同様)ですが、垂直尾翼が軟質パーツでできており、僕の手許に届いたものは見事に内側に丸く変形しておりました。しかも余所の塗装も跳ねてるし…… 合体モード ドレッドウイング 後面 合体自体は非常に単純。ブラックウイングガワから展開させた専用の5㎜軸ジョイントを、ドレッドウインド側の穴(機体後端。合体モード時に拳や足パーツをはめる穴)に差し込むだけ。 それ以外に固定装置はなく、はっきり言って不安定です。 しかも、ブラックウイングの説明書にはこのモードへの変形手順がちゃんと書かれているのに、ドレッドウインドのほうにはなにも書かれていません。おかげでドレッドウインドのウイングを後ろにスライドさせなきゃいけないことにしばらく気付かなかった。 比較画像 ドレッドウインド & ブラックウイング まずは兄弟で。 上半身がかなりの部分で違うので、見た目の印象は随分違います。 気になったのはそれぞれの付属武器。 ドレッドウインド付属の銃タイプの武器ですが、形状こそオリジナルによく似ていますが、オリジナルでは2丁付属していたのに、こちらは1丁切り。 ロボットモード時はともかく、ビークルモード時にバランスが悪いのが残念です。 一方のブラックウイングには銃は2丁付属しますが、こっちはこっちでオリジナル付属のものとはまったく似ていない小型の銃で、どうしてまたこうなったのか…… ドレッドウインド & スカイダイブ 元型のスカイダイブと。 先にも言ったように、スカイダイブとエラーライダーがそもそもパーシャル関係にあるのですが、共通パーツの数、そしてビークルモード時の見た目からまずはこの2体で比較。 共通部位は前腕と脚部全体(ドレッドウインドでは外装に一部改修あり)、それと機首、ウイング、細かいところでは肩の可動用のジョイントにも同じパーツが使われています。 半分近く同じパーツを使いながら、取り付け位置の変更などでロボットモードでの印象はかなり違って見えます。一方で、ビークルモードではシルエットにはほぼ変わりがありません。 ただそれよりも、スカイダイブの肩幅…… ブラックウイング & エアーライダー 続いてブラックウイングとエラーライダー。 こちらも前腕と脚部全体で共通パーツが使われていますが、後は細かい部分を除いてブラックウイングではほ新造パーツになっています。 一見同じパーツが使われているように見えるビークルモードの機首やウイングも、地味に新造。 なお、ドレッドウインドとブラックウイング共通で感じたことなんですが、全体的に間接やジョイントが緩めです。個体差なのかもしれませんが、もう数年前にかったエア-ボット立ちのほうが保持力は安定してました。 尾翼の変形の件も含め、相変わらず品質管理には問題ありです。 ドレッドウインド & バスター なぜかバスターだけオリジナルをずっと持っている(ハイドラーはそもそも買わなかった)ので、せっかくなのでドレッドウインドと。 バスターでは赤い色のパーツが、オリジナルのドレッドウインドでは今回のPP版と同様のライトグリーンになっているようです。 こうして並べると、両者が似て非なるモノだということがよくわかると思います。 まぁ、コンバイナー仕様であることを鑑みれば、これくらいでも十分でしょう。 以下、イメージカット 可動性は元型のエアーボットに準拠。 ドレッドウインドの場合は、ウイングが脚部に移動しているため、腕部の後方への干渉がなくなり、より派手なアクションが可能になりました。 肩のジェットエンジンの径は5㎜なので、プライムアーマーや付属の武器を取り付けることもできます。 ブラックウイングも、下半身の可動はドレッドウインドと変わらず。 こちらは元型と同じく背面にウイングがあるので、腕の後ろへの可動は制限されますが、その代わり肩が上向きに動くので、画像のような肩の入ったポーズをとらせることができます。 二人揃って。 一応、腰裏にスタンド用の3㎜穴があるんですが、これがほとんど使い物にならないくらいユルユルです。 もしやと思ってスカイダイブやエアーライダーについても確認しましたが、なんと彼らの時点でユルユル…… 辛うじてブラックウイングのほうがなんとかバランスをとれましたが、ドレッドウインドのほうはどうにもならなかったので、背中の5㎜穴で代用。5㎜仕様のスタンドがあってよかった。 以上、“PP ドレッドウインド” & “ブラックウイング” でした。 正直なところ、手許にある素材を使って、まぁまぁ上手いことそれらしいものを作ったな、という印象です。 そもそも合体戦士でないキャラたちをコンバイナー仕様でリメイクすることに多少の無理がありますし、しかもパーシャルが前提なわけですから、その点に関してはこちらもある程度は妥協しています。 構造的な部分で若干荒いところはありましたが、許容範囲だった思います。 ただ、ドレッドウイングへの合体ギミックは、もう少しなんとかできなかったのかなぁ? せっかくコンバイナージョイントがあるんだから、それを活かすかたちにできなかったんでしょうか。 というか、当然そうなるものだと思ってたんですが、まさか5㎜軸1本での接続とは…… まぁ、サイバトロン(オートボット)側のゴッドマスター(パワーマスター)たちが、ジンライ以外まったく忘れ去られている状況を思えば、こういったかたちでも今の世に復活させてくれたことはありがたいとは思います。 でも、PPのラインナップの中で、この二人だけが出自的にも明らかに浮いてるんですよねぇ。 それならもう、旧ジェットロンをコンバイナー仕様で出してたほうが…… といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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