一回空きましたが、今回で完結となるPP版ダイノボットのレビュー。 満を持して、リーダーのグリムロックと、合体戦士のボルカニカスのご紹介です。 これまでに合体モードの手脚となるデラックスクラス4体をレビューしてきましたが、その4体は初期のコンバイナーに見られたチープさもなく、単体として見てもなかなかにいい出来で、G1デザインの再現度も高い、個人的に非常に満足のいくアイテムでした。 となると、リーダーかつ唯一のボイジャークラスとなるグリムロックの出来にも期待が持てる、はずだったんですが…… さてその結果やいかに。 グリムロック ロボットモード なんでトランスフォーマーは大型高額商品ほど、そういう部分で手を抜くのか…… まぁ、胸部のオートボット(サイバトロン)マーク(画像ではライトが反射してしまっていますが)はプリントだったのは、せめてもの救いですが。 ビーストモード メカティラノサウルスにトランスフォーム。 ほかのメンバー(デラックスクラス)がみんな、ロボットモードからビ-ストモードの変形に10ステップ以上(スラージに至っては20ステップ)を要するのに対し、彼はたったの8ステップ。 この段階で嫌な予感はしました。 ともあれ、 グリムロックといえば(というか、ダイノボット全員にいえることですが)、ロボットモードよりもこちらの姿でいることのほうが多かったので、非常に懐かしい感じです。 正面から見た姿は、ほぼG1のあの頃のまま。角張った頭につぶらな瞳、そして短くて細い手がなんともキュート。 しかし、そんな感慨も正面から見ていればこそ。後ろ姿はご覧の通りの手抜きとなっております。 ボルカニカスの頭部の基部の裏側とか、腰当てとか、主に合体モード時のパーツが丸見えです。 腰当てのほうはともかく、頭部の基部なんかは、とくにディティール処理されているわけでもなく、完全に裏側ですからね。あと、尻尾がただロボットモードの脚部を合わせただけなので、太い上に四角い。 まぁ……ね、スラッグやスラージといった4本脚の連中なら、お腹側は意識しないでいいから、ある意味楽だとは思います。それに較べて、2本脚のグリムロックはお腹と背中、両方見えるわけで、そういう意味では大変だとは思うんですよ。 結果、今回はお腹側(正面)の処理を重視して、背中側(背面)は諦めたようです。 でも、そこはボイジャークラスなんだから、しっかり対応してほしかった。あとガワを二、三枚増やせば解決できたと思うんですが。 なんというか、PPは大型アイテムの背面を疎かにする傾向があるような…… プライムアーマー装着 大型プライムアーマーも、小型と同じくスパークコアやマトリクスの装着が可能です。ただ、小型に付いていたカバーパーツはありません。 画像で装着しているのは、こちらもグリムロックに付属のダイノボットエニグマ。 ビーストモードでは後脚の側面に装着するのが公式のようですが、正直あまり格好のいいものではありません。 なお、グリムロックにはこの大型プライムアーマーとダイノボットエニグマ以外の付属品はありません。 つまり手持ちの武器がないんです…… 比較画像 こちらもなにかと叩かれているジェネレーションズ版と。 クラスは同じボイジャーですが、ジェネレーションズ版のほうがロボット、ビースト両モードで一回り大きいです。 ジェネレーションズ版も今回のPP版に負けず劣らずの簡単変形で、ビーストモードではお腹側がスッカスカ。加えて僕のものは右肩(ビーストモードでは右脚付け根)の間接がプランプランで、ほぼ腕を上げることができません…… グリムロックといえば、歴代トランスフォーマーでもけっこう上位に入る人気キャラだと思いますし、実際リメイク、実写版含め商品化の機会も多いのに、なんでか出来の悪いアイテムが多いような気がします。 本当、なんでこうなった? 5体合体 ボルカニカス さて、今回のPP版でのリメイクにあたり、新たに追加された合体モードがこちら。 グリムロックを中心に、とりあえず公式でのデフォルトということで、右腕にスワープ、左腕にスラッグ、右脚にスラージ、左脚にスナールを合体させました。 これまでのコンバイナーと違い、全員のカラーが統一されているために、色味的には非常にまとまりがあります。 頭部はグリムロックをベースに、ゴールドの王冠を被ったような造形。 胸部に位置するティラノサウルスの頭を始め、両手脚にそれぞれのビーストモードの頭部(スナールだけ尻尾ですが)が見えるデザインはプレダキングを彷彿とさせます。 手脚組の変形については、過去のコンバイナーとほぼ同じ感覚。 一方のグリムロックは、ロボットモード↔ビーストモードの変形が簡単だった反動か、ちょっと捻った変形パターンになっています。ただ、それがいいか悪いかは、また後ほど。 ここでは、あくまで見た目の印象だけに絞って書きますね。 横から見たときの薄さは相変わらず。 コンバイナーギミックそのものは過去からまったく進化していません。 つまるところ、過去アイテムたちが抱えていた問題も、ほぼそのまま継承しているかたちになります。 (オマケ)アルケミストプライム ここで一服というか、あわや忘れそうになっていた同時発売のプライムマスターも軽く紹介しておきます。 今回モチーフとなったプリテンダーは “サブマローダー(で合ってるのかな?)”。 日本では超神マスターフォースにて、“魚雷攻撃参謀 ギルマー” の名前で登場しています。 アルケミストプライムとしての設定は、最初の13人のプライムの一人で、惑星サイバトロンの文明の創始者。アルファトライオンとともに文明の監視をしていたが、後にリージマキシモを追って惑星サイバトロンを離れた、そうです。 なので、現在の所属はディセプティコン(デストロン)ということになるかな。 プリテンダーモード ウエポンモード 以下、イメージカット グリムロック単体としては、可動は申し分ないですし、各間接の保持力も……股関節がやや緩いですが、とくに問題はありません。 変形都合でボイジャークラスとしては珍しく腰も回りますし、肩や肘の可動域が広いので、グリムロックらしいパワフルなポーズも決まります。 ただ、足首の可動はないので、接地性はイマイチ。 また、胸部のはめ込みが緩く、気付くとすぐ胸が真ん中から割れていることがあります。 ビーストモードでのプライムアーマーのいい取り付け位置はないかと模索していたところ、脚部を180度回転させて、展開さてたロボットモードの拳に直接持たせたると、脚全体にボリュームが出ていい感じになりました。 プライムアーマー自体に可動軸があるので、少し浅めに持たせることで大股開きにも対応可能。 これで現代風の前傾スタイルもばっちり決まります。 画像のポーズなんかは、ほとんど紙一重です。撮影直後に脚の付け根からぐるんと一回転して倒れて、すごい格好になってたり…… せっかくの足(プライムアーマー)の可動軸も、股関節がここまで弱いとまったく意味がありません。 そのバランスの悪さ、虚弱度合いはあのメナゾール以上かも。 さらに問題は股関節の弱さだけにあらず。肩、および腰を個性するジョイントが緩く、ただ棒立ちしているだけでも形態の維持がままならないこともちょいちょい。 これまでのコンバイナーでもそうでしたが、どうしてもボディとなるリーダー(ボイジャークラス)に負荷のかかる構造なので、そのリーダーが脆弱ならいっそう脆弱になってしまうのが合体形態の定め。そんなことはとっくにわかってたことだろうに……… 最低でも、股関節だけはグリムロック単体状態でがちがちに堅いくらいに調整しておいてくれないと。 手脚を入れ替えて。 ずっと素手なのもなんなので、デラックスクラス4体に付属の武器を持たせてみましたが……やはりショボイ。 専用武器がないのは寂しいですね。 剣のほうは、なんかこういう武器っぽいですが。 新メンバーにして紅一点のスラッシュも一緒に集合写真。 新人も、さすが先輩たちに準じたデザインで、並んでもまったく違和感ないですね。むしろ一人だけ青いスワープのほうが浮いてる。 ビーストモードでのサイズ感もなかなかいい感じ。 過去のコンバイナーには、基本形に合体する5体のほかに、レジェンズクラスが一体、サブメンバー的なかたちで合体する仕様がありました。 スペリオンの銃に合体するパワーグライドや、メナゾールの胸部に合体するブラックジャック(日本ではラナバウトとして発売)などなど。 日本では、ユナイトウォリアーズとして基本の5体がセット販売で、サブメンバーとなるレジェンズクラスもアドベンチャーやレジェンズ(シリーズ名)など、シリーズを跨いで発売されたこともあり、なんのフォローもされていませんでしたが。 以上、“PP グリムロック”、そしてダイノボット5体合体の新合体戦士 “ボルカニカス” でした。
コンバイナーの欠陥に改善の兆しは見えず…… せっかく、手脚組のデラックスクラス4体が単体でも十分なクオリティだったのに。 リーダーのグリムロックの変形の単純さ、そしてビーストモード時の背面の見栄えの悪さに悪態を吐き、合体させたボルカニカスのへろへろ具合に、あぁ……やっぱりか、と落胆しました。 合体形態での個人的な評価は、これまでのコンバイナーのなかでもかなり下位になるかと。 見た目はなかなか特徴的で、格好良かったんですけどね。そのためにか、グリムロックの変形に奇をてらい過ぎた感があって、結果合体形態での脆弱性が増してしまった気がします。 まあ……ね、そもそもダイノボットは合体しないわけで、コンバイナーとしての機能はメインではなくあくまでオマケ要素と考えれば、それほど腹も立ちません。 ただそうなると、どうしてもグリムロックの中途半端さが気になってしまいます。 ビーストモードの背中の処理については言わずもがな。そして各部のシールは、ほかのメンバーがプリントであるがゆえにチープさが際立って仕方ありません。 どうしてデラックスクラス以下でできていることが、ボイジャークラス以上ではできないのか? そこまでコストって変わってくるもんなんでかすね? まぁ、そんなグリムロックもロボットモードでは目立った粗もありませんし、ビーストモードでも後ろ姿さえ見なければ、G1のイメージのままmの愛らしいメカティラノですし。 結局のところ、今回のPP版ダイノボットたちもそれぞれ単体で楽しむのが一番かな。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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