アムロ・レイが搭乗したMSのなかで、実質的な専用機でたぶん唯一の非ガンダムタイプとなるディジェ。 ただ、アムロが乗ったMSではおそらく1番不遇を託った機体じゃないでしょうか。 新劇場版三部作では、キリマンジャロでのエピソードが丸々カットされたことで登場せず(アムロ自体、1部終盤と2部前半しか出番なし)、当然劇場公開時の特需でもその恩恵に預かれず、その後長らくキット化の機会を得られないままでした。 しかし、2015年6月にRE/100の第4弾キットとして実に30年振りのキット化。現代風にアレンジされたスマートな見ためには否定的な見方もあったような。 加えて、それまでナインチンゲール、ガンダムMK-Ⅲ、ガンダム試作4号機ガーベラと、かなり攻めたラインナップを繰り出してきたREの第4弾キットとしてデジェが選ばれたことに、そもそもディジェはメジャーか? マイナーか? という論争も持ち上がりました。 それから3年余り……遂に、満を持してのHGUC化。 バーザム、ガルバルディβ、バイアランとZ系MSのキット化が続いていたので、そろそろ来るかと思ってがいましたが、まさかナラティブと絡めてくるとはなぁ。 ナラティブへの出演があったからのキット化なのか、キット化が決定してからのナラティブへの出演なのか……どちらにしてもすごく商業色の強い作品ですね、あれは。 意外に “良い” ようですが、あまり見る気になれない…… まぁどんな経緯にせよ、これまでHGUC化されていないMSが着々とキット化されていくのはいいことです。 REからHGUCという流れも、イフリートからこのディジェで2例目となりましたし、まだまだ希望はある! それでは、レビューに移ります。 キットは、素組みに最低限の墨入れ、付属シールによる仕上げです。 もちろん、脚部などにはしっかりボリュームがあり、ジオン色濃いめのマッシブさもちゃんと再現。 ナラティブVer.の設定画が異様にデブいので、そっちに寄り過ぎなくてよかった。 色分けはほぼ問題なし。さすがに左肩ウエポンラックの三角マークや右肩シールドのイエローはシールですが、ウイングバインダーはもちろん、バックパックのスラスター内部もパーツで色分け。 とくに、ウイングバインダーなんかは、仮に4、5年前にキット化されていたらおそらくシール再現になっていただろうし、そういう意味でもここまで待たされた甲斐もあったというものです。 後頭部からバックパックへ繋がるケーブルと膝裏の動力ケーブルは軟質パーツ。 そのモノアイはレーン部分と一体成型になっており、非可動。モノアイ自体は立体的に造型されていますが、かなり小さく組んでしまうとあまり目立ちません。今回はシールを貼って済ませています。 なお、レーン部分にツインアイのモールドが入ったパーツも付属し、任意で交換可能。どうせならモノアイディティールのない、ツインアイのみのパーツもあればよかったのに。 ビームライフル クレイバズーカ REではバックパックの内側にラッチがありましたが、HGUCでは外側に変更。 保持にはライフル同様右中持ち手を使用。通常の持ち手でも保持できるかとも思いましたが、無理でした。 せっかく銃器が2丁あるのに、左右それぞれに持てないなんて…いつものことか。 左肩部ウエポンラック ビームナギナタ キットにはゲルググ同様の湾曲したビーム刃が付属。 なお、一方向だけから発振した場合、より大型のビーム刃を出力できるそうですが、そのようなパーツは付属せず。わざわざ説明書の機体解説にまで書いておいて…… 保持の際、とくに固定用のピンなどはありませんが、位置がずれるようなことはありません。 非使用時のデバイスは腰裏のラッチにマウント可能。 ついでに、バックパック中央のスラスターは上下に可動します。 比較画像 設定としては中身はほぼ同じはずの両機ですが、今回スリムアップしたディジェのせいもあり、とてもそうは見えません。 リックディアスのREVIVE化が叶わない以上、ディジェのプロポーションはもう少しこのリックディアスに近付けるべきだったのかもしれない…… Zガンダムでのアムロは、さほど出番のないなかこのリックディアス、そしてディジェと乗り継ぐことになるわけですが、ガンダムに乗れずにストレスが溜まったりしなかったんだろうか? もともと、カラバのハヤト・コバヤシの意向では、アムロ復活の意味合いも込めてディジェをガンダムタイプとして完成させるつもりだったようですが、旧ジオン系メンバーへの配慮から結局こんなジオン色強めの姿になってしまったそうな。 何度もREを引き合いに出しておいて、並べて比較しようと思ったらそのREをどこにしまい込んだのかわからない…… わりと最近見たような気がするんだけどなぁ…… 以下、イメージカット デザイン上あまり動きそうにないですが、そこは最新キット、ジム系のようなシンプルな機体と同水準とまではいきませんが、それでも予想以上によく動きます。 肩間接は引き出し式で前方、そして上方に大きく可動。肘も120度くらい曲がります。 右肩アーマーとシールドはボールジョイントである程度可動、左肩ウエポンラックも軸可動で跳ね上げが可動です バックパックも左右のスラスター及びウイングバインダーがそれぞれ独立して可動します。 ただ、全体にパーツの合いが緩く、肩間接は微妙にぐらつきますし、右肩アーマーとシールド、そしてウイングバインダーのグリーンのパネルはけっこう外れやすいです。 デザインの都合上、もっとも動きが制限されそうな腹部の可動は、中央の赤いパーツを跳ね上げるという強引な手法で腰の回転を実現。 そもそもこの赤いパーツ、いったいなんなんでしょう? 僕は、最初見たときにはてっきりコクピットハッチだと思ってたんですが、先にも言った通りディジェのコクピットはリックディアスと同じく頭部にあります。じゃあこの赤いのはなんなんだ? これのせいで真横から見るとすごいデブに見えるんだけどな…… フロントスカートは左右で4分割され、脚部の可動を妨げません。しかし、先の腰の可動(赤いパーツの)との兼ね合いで決して柔軟に動かせるとは言えません。 膝は二重関節で180度近く曲げることが可能ですが、接地性はイマイチ。脛前面のアーマーも気持ち程度にしか動きません。 頭部は、あまり大きく動かすと後頭部のケーブルがすっぽ抜けます。 以上、“HGUC ディジェ” でした。 HGUCも一時の低迷から脱却した…と言っていいんでしょうか。 春以降の展開を見てみないことにはなんとも言えませんが、今のところはほどよいスパンでオールドファンにも嬉しいラインナップが続いているように思います。 タイアップが優先されるのは仕方ないですし、旧作からのキット化はこれくらいのペースでも十分です。しっかりいいものを作ってくれるなら。 そんなわけで随分待たされたHGUC版ディジェですが、待たせただけのことはある、いい出来だったと思います。 もちろんそれも、REからのフィードバックあってのことで、小スケールながらより洗練された内容となったのはイフリート同様。 とくに、REでは不可能だった腰の回転を大胆な発送で可能にしたことには驚かさせました。というか、あれは反則だろ…… パーツがポロリすることがあったり、ところどころ不安定な部分もありますが、ストレスを感じるほどではありません。 総合的に、最新キットらしい高い完成度でまとまったキットだと思います。 今後の展開としては、カラーリング以外の変更点の少ないナラティブVer.のプレバンでの発売は決定しているようですが、昨今の妙なディジェ推しを見るに、ほかのバリエーションにも期待していいんだろうか? Z系MSコンプリートという方向に目を移すと、MSVを除く待機組はハイザックカスタム、ボリノーク・サマーン、バウンド・ドック、サイコガンダムMK-Ⅱの4機にまで減りました。 この4機のうち、なにげに1番ハードルが高いのはボリノーク・サマーンのような気がする。 ハイザック・カスタムは、ハイザックのREVIVE化が叶えば理想的だったんですが、ハイザックにパーツ追加でプレバン、という可能性はゼロではないでしょう。 バウンド・ドックはリカラーで3種までリリースできますし、アモン・ドックという最終兵器もあるので、実は1番現実味がある気がします。 サイコMK-Ⅱは、もうバンダイ側の覚悟次第(笑)。 結局、価格的には標準クラスで(1800~2000円ってとこでしょう)現状バリエーション展開も望めないボリノーク・サマーンが最大のネックになるかと。 シロッコが造ったワンオフの機体だし、今後の新作で系列機を出すことも難しいだろうしなぁ…… といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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