番組タイトルを冠した後半の主人公機ながら、一度もOPのタイトルバックを飾れなかった不遇の機体(笑)、デスティニーガンダムが13年半の時を経てHGCEとして1/144スケールでリメイクされました。 平成におけるガンダムシリーズのエポックとして、絶大な人気を博した “機動戦士ガンダム SEED”。 その人気を受けて製作された続編が、“機動戦士ガンダム SEED DESTINY” となるわけですが、当時リアルタイムで観ていた身としては、蛇足だなぁ……と感じました。 年甲斐もなくSEEDにけっこう嵌まっていたこともあり、正直「蒸し返すなよ!」という思いが強かったですね。 まぁ、一視聴者がそんなことを思ったところで放送は始まるわけで、仕方ないので(?)観ましたけれども、キラとラクスの関係に納得いかないとか、サイはどこ行ったんだ? とか、いろいろとモヤモヤしきりでした。 しかし後半になるにつれ、前作同様旧作をなぞる(SEEDはファースト、DESTINYはZのオマージュと言えます)だけではない独自要素も加わっていったことで途中離脱することなく、最後まで付き合うことができました。 DESTINYという作品の特徴としてまっ先に挙げるべきポイントは、仮にも主人公とされるキャラクターが、最終的に物語上の悪となる陣営に一貫して所属していたことだと思います。 中盤においてずっと恨んでいた(ある意味逆恨み)前作主人公を撃破しながら、こともあろうに乗り換えてからは連敗続き(まぁ、相手も乗り換えたんですが)。最終局面においてはもはや対戦相手がかつての上司である前作主人公の親友に代わり、しかもボコられて終わりという結末には哀愁すら漂います。しかも結末においてはその場にすらいないので当然蚊帳の外…… この一連の流れをもって、結局DESTINYも中盤以降はキラが主人公だった(実際、第3期OPからタイトルバックを飾ったのは彼の後半の登場機、ストライクフリーダムガンダムでしたし)と見る向きもあるかと思いますが、僕個人はDESTINYの主人公はあくまでシン・アスカだと思っています。 ごく普通の少年が戦争に翻弄されながらも必死に生きていく物語、それがSEED DESTINYだと。 おおっと、気付けばキットと直接関係のない話を長々と書き殴ってしまいました。 実はDESTINYもけっこう好きみたいです、僕(笑)。 レビューに移ります。 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと一部塗装による仕上げです。 ただ、脚部はちょーっと細過ぎるかなぁ。ソールの接地面も広くなく、背負いもののせいでどうしても重心が後ろに傾くため自立はわりと厳しめ。 まぁ、あまり地面に足をついてるイメージのない機体ではありますが。 色分けは、さすが最新キットだけあって本体に関してはほぼ完璧。特徴的な隈取りはもちろん、腰サイドアーマーや脛のスラスター部分も開口したうえで裏打ちパーツにて再現される丁寧さ。しかし、ふくらはぎの可動式スラスターのみ色分けされていません(塗装するの忘れました)。 一方で武装類の細かい色分けはスルーされています。 今回はビームライフルのサイトスコープとアロンダイトの柄、そして長射程ビーム砲のお尻の部分などを塗装しています。 付属武装・ギミック MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル サイトスコープのほかにも、側面の丸と四角のモールドも塗っています。 保持には汎用の武器持ち手を使用。左右どちらにでも持たせることができます。以下の手持ち武装の保持はすべて同じ持ち手で行います。 非使用時にはそのまま腰裏にマウントすることが可能です。 RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン アンチビームシールド 前腕側面の青いアーマーパーツに直接取り付け。位置は固定で回転もできませんが、前腕肘下に回転軸があります。基本は左腕に装備するものですが、左右どちらにでも取り付け可能です。 その名の通りアンチビームコーティングは施されているんですが、本体にビームシールドを内蔵しているのにこれは必要なんだろうか? エネルギー消費だって、ハイパーデュートリオンシステムで気にする必要もないはずだし。 MMI-714 アロンダイト ビームソード M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲 MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲 ビームエフェクトは一つのみ付属。 ビームシールドと同じ素材なので、こちらもブラックライトで発光します。 光の翼 先端などはけっこう細くなっていますが、安全基準を満たすために丸みがあり、パーツの厚みもそこそこあるので破損の心配はないと思います。 なお、ウイング内部の小羽根の間にある小型スラスターは黒で塗っていますが、正面の画じゃよくわかりませんね。背面から撮るべきだった。 比較画像 ただ、所詮板状なので縁の処理や正面以外から見たときの質感が微妙なのは残念です。 一方のHGCE版は先にも言った通りピンクのクリアパーツ製でグラデーション効果はないものの厚みがあり、端々もしっかり造型され、抜けている部分もあったりと質感では確実に勝っていると思います。 というか、デスティニーもこれくらい逞しい脚でもよかったと思うんだけどなぁ。 以下、イメージカット どうしても派手なオプションに目を取られがちですが、むしろ最新キットとしての見所は本体部分にあります。 人気機体だからといって既存の構造でお茶を濁すこともなく、いくつか新たなチャレンジが試みられているのは評価できます。ただ、それが成功しているか否かはまた別の話ですが(笑)。 まず肩間接ですが、すでにHGでも定番となったポリパーツレスの引き出し式に加え、接続分をボールジョイントにしたことで柔軟性が向上しました。ただし、摩耗や経年によるへたれが少し不安ではあります。 肘は二重関節で深く曲げることができ、肩の可動とも相まってライフルやアロンダイトの両手持ちも容易です。 腹部の可動は接続方法が見直され、姿勢の保持力も良好かつ外れにくくなっています。 腰部ではサイドアーマーの基部がわずかに後方にスライドするほか、股関節もわずかに下方向にスライドし、両方を合わせることで太股の可動域が拡大します。 しかし、股関節のほうははめ込みが少々きつく、スムーズにスライドさせることはできませんでした。無理に引っぱると破損のおそれもあるので、一度腰部をバラし、股関節をずらした状態で再び元に戻すのが安全かと。 とはいえ、そこまで手間をかけてところで劇的に可動域が拡がるというわけでもないのは微妙なところ。せめて綺麗に立て膝にできるくらい動いてくれればいいんですが、膝と足首の可動は標準的ですし、そもそも太股と脛の長さのバランスがおかしいデザインなので。 バックパック中央のメインスラスターとふくらはぎのスラスターも可動します。 ほぼ斜め後ろに噴かしている状態なので、エネルギー効率悪そうで…… あと、頭部ももうちょっと反れるようだったら、アロンダイトを腰溜めに突撃するポーズも決まったんだけど。 さて、レジェンドが発売されて、コンビネーション2が再現できるのはいつのことになるやら…… 以上、“HGCE デスティニーガンダム” でした。 人気のある機体だけに、人それぞれ理想とするプロポーションがあると思いますが、今回のリメイクではその最大公約数的なアレンジが施されたのかな? と思います。 SEED系ガンダムらしい細身でスタイリッシュな本体にケレンミ溢れる大振りなオプション類は、劇中のパースの利いた決めポーズを再現するにちょうどいいバランスかのかもしれません。 まぁ、個人的にはやっぱり脛が細過ぎる気がしますけどもね。 色分けは十分。可動もよく動くゆえにいくつか気になる点が出てくるという感じで、これは贅沢な悩みと言うべきかもしれません。 ただ、将来的な保持力や関節強度にはやはり不安もあります。 久しぶり出したストフリがもうよぼよぼでしたしね。保管状況もよくなかったのかもしれませんが。 まぁ、背負いものもストフリほどの重さはないですし、2年以上の技術の積み重ねもあるはずですから、同じ結果にはならないと信じていますが。 さて、一般販売のHGCEとしては今回のデスティニーガンダムが5アイテムめですね。 第1弾のエールストライクガンダムがオールガンダムプロジェクトの一環で発売されたのがもう5年前。それから間もなくリカラーにマーキングが追加されたストライクルージュが発売され(今だときっとプレバン行き)、その後しばらく音沙汰がなくなりますが、REVIVEの流れでフリーダムガンダム。それから1年と少しの間にフォースインパルスガンダム、ストライクフリーダムガンダムと続きました。そのときは、デスティニーまで2年半もかかるとは思いませんでしたが。 なににせよ、新旧主人公機(と派生機)しか発売されてません。 かと思うと、なんの前触れもなくルナマリアの赤いガナーザクウォーリアがMGで発売されることに。 いや、REでよくない? 現状、宇宙世紀作品の機体しかリリースされたないREの間口を拡げる意味でもいい素材だと思うんですけどねぇ…… 今後数年の間にHGCEで発売されそうなのは、ジャスティスと∞ジャスティス、プロヴィデンスにレジェンドといったところでしょうか? 最有力は∞ジャスティスかな? 個人的にはレジェンド発売でザフトレッド3人を揃えたいところですが。 でも、どうせまた1年か2年は間が開くんだろうな…… といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
2 コメント
みやたけ
29/10/2020 07:28:02
はじめまして。サイト見させていただきました。ポーズの参考にさせていただきます。気になったのですが、RGに付属してるビームサーベルって、このHGCEのパーツに付けられるのでしょうか?サーベルだけないから、拝借出来たらやりたいなって思いました。
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退屈と惰性と
31/10/2020 18:59:15
コメントありがとうございます。
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