アニメでは主人公・アラシの父親、イカヅチの相棒として、村を襲った巨大隕石を破壊した大型ゾイド。現在はイカヅチともども行方知れずのようですが、シュプリーム団のメンバーである仮面の男・クロアメが同じグラキオザウルスを相棒としており、ひょっとしたらなに関係があるようなないような…… まぁ、なんの捻りもないオチの可能性大ですが。 ともあれ、アニメではワイルドライガー、ギルラプターに続いて3番目にワイルドブラストを披露したゾイドとなりました(ギルラプターは強制的に本能解放させるデスブラストなので、本当の意味でのワイルドブラスト状態ということでは2番目)。 キットのほうは、現在発表されているなかでも最大のXL型ということで、サイズはもちろん、ギミックにもしっかりシリーズコンセプトが反映された納得の出来で、旧シリーズのウルトラザウルス同様、シリーズの一種の象徴的なアイテムになっていると思います。 では、レビューしていきたいと思います。 動力ユニット 今回、通常歩行のほかにもワイルドブラスト再現用のギミックも盛り込まれているため、動力ユニットも特殊なかたちになっています。 下半分の長方形の部分が電離ボックスと歩行用のユニット。上半分がワイルドブラストの肝となるユニットです。 ただ、脚部用の可動軸は前脚のほうにしかなく、あれだけの巨体をわずか2本の軸だけで歩かせるのかと思うとちょっと不安になる部分もあります。 実際、旧シリーズのように各間接部が連動して歩行するような構造だと難しかったように思います。 でも、今回のシリーズは基本関節は固定なので、歩行アクションにはそれほどの馬力は要らないのかも。 そう、まさかとは思いましたが、XLサイズのこのグラキオサウルスすら、4本の脚が足首まで1パーツ成型なんです…… ボーン復元 後面 各部ディティール 口は手動で開閉します。下顎は固定なので、上顎を持ち上げる感じですね。最大まで解口した様子はなかなかに凶悪です。 背中にはライダーの搭乗席があり、ガノンタス同様、ボーン形態のままでもライダーを乗せることが可能です。画像では乗せてませんが…… 今回のシリースは、本当に組み立てが簡単です。サイズの大小はほぼパーツの大小でしかなく、どのキットでも慣れれば30分もあれば完成してしまいます。パーツが小さいぶん、むしろこのグラキオサウルスよりもスコーピアを組み立てたときのほうが時間かかったかも。 復元完了 後面 各部ディティール アイパーツはイエローのメッキ調。 ハンマーボーンは、内側にディティールこそあるものの所詮はパーツの裏側なので、正直見栄えはあまりよくありません。せめてハンマー部分の接続部くらいには、カバーなり裏打ちパーツなり付けほしかったところです。 脚部外装には必殺技使用時に機体を固定するアウトリガーが装備されていますが、一体成型の単なる飾りになってしまっています。ここは別パーツにして、手動でいいので動かせるようにしてほしかった。 ライダーフィギュアは今のところ専用造型で、少し深めの着席姿勢になります。旧シリーズのパイトッとフィギュアに近い感じですね。これまで競馬のジョッキーのような前傾姿勢ばかりだったので、ちょっと新鮮。 比較画像
電動アクション
その状態でゆっくりと首を持ち上げ、勢いよく振り下ろす必殺技、その名も “グランドハンマー” を繰り出すこと2回。自動的にハンマーボーンが後ろにたたまれて通常形態に戻ると、再び歩行再開。そしてまた数歩歩いた後ワイルドブラスト! グランドハンマー! 通常形態へ。あとはその繰り返しです。 これまでに発売された同シリーズのキットでは、ワイルドブラストへの移行は主に手動によるものでした。 フラッグシップキットでもあるワイルドライガーだけは、電動歩行から自動でワイルドブラストへ以降しましたが、その後はワイルドブラスト状態のまま、必殺字を繰り出しながら歩き続けるだけで、通常形態へは手動で戻すしかありませんでした。 しかし、このグラキオサウルスは通常歩行からワイルドブラスト形態への変形、そして必殺技、さらに通常形態へ戻るまでが全自動! さすがXL型。迂闊にもちょっと感動しました。 必殺技を繰り出すときにしっかり立ち止まるのも、設定を反映していて見事です。若干勢いがよ過ぎるので、首の基部とかの破損が心配ですが…… あとは、通常形態でただ歩き続けるモードと切り替え可能なシステムにはできなかったのかな? とかは思いましたかね。 以下、イメージカット 手動で動かせるのは口だけなので、およそアクションポーズなんてとれないのは本家ゾイドの宿命。 とりあえずクワーガにでも噛みつかせとこう 電動アクションを途中で止めて、必殺技 “グランドハンマー” の瞬間を激写。 ハンマー部分からけっこう頭が飛び出しちゃってるのは、これ大丈夫なんですかね? アニメでは自分の足下への一撃で、谷を挟んだ向かい側にいた的ゾイドの足下を崩壊させてましたが、そういう指向性のある衝撃波を放つ機構も備わっているのかも……いや、あれはアニメ上の演出です(笑)。 以上、“ZW グラキオサウルス” でした。
今回のゾイドワイルドの大幅な組み立ての簡略化は、小学生低学年を中心に、プラモ離れしている子供たちを取り込むための戦略で、実際のシリーズのヒットを見ればそれは成功したのだと思います。 ただ、僕のような古参のゾイドファンにとっては、はっきり言ってもの足りない部分はあります。 S型キットならまだしも、M型、さらにXL型までもが各部の間接可動なしで、単純に4本の脚を前後に振るだけの歩行アクション……これのどこが “リアルムービングキット” なんだ、と。 まぁ、僕はもうそのへんは割り切っていて、今回のシリーズに旧シリーズにあったようなゾイド自体の躍動感は求めていません。 ゾイドワイルドは、同じゾイドでもこれまでのゾイドとは方向性がまったく違うものだと思ってしまえば、けっこう楽しめるもんです。もちろん不満点はいっぱいありますけどね。 そんななかで、このグラキオサウルスはさすがXL型というか、シリーズコンセプトを見事に消化しているキットだと思いました。 最初にワイルドブラストへの変形を見たときは、途中でも言いましたが、ちょっと感動した。しかもちゃんと元の様態に戻るなんて……ワイルドライガーで不満だった点を、しっかりクリアしてきている。 まぁ、開発は同時だった思いますが。 さて、これでシリーズ発表と同時に公開された8アイテムはすべて発売されたわけですが、その後全然後続のアナウンスがないなぁ……と思っていたところ、つい先日9月発売アイテム3点が発表されました。 一つめは、すでにアニメにてやられメカとして認知されているS型のラプトール。 二つめのM型・ナックルコングと三つめのL型・トリケラゴドスはまだアニメ未登場ですが、すでに公式サイトでネタバレしています。 一ヶ月のインターバルは残念ですが、どのキットもなかなかに特徴的なギミックが盛り込まれているようで楽しみです。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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