第2回めの今回は、腕部担当の “ランページ” と、“ダイブボム” を紹介していきます。 前回レビューしたトロックスとヘッドストロングは、合体モード=プレダキングのプロポーション重視の煽りをわりとわかりやすいかたちで喰らってましたが、今回の2体もけっこうな影響を受けておりますよ、はい。 まぁ、ダイブボムの方ほうはそうでもないんですが、オリジナルでも一番地味だった(笑)ランページの扱いが、とにかく酷いです。 これ、誰もなにも言わなかったのかなぁ? 理屈はわかるんですよ。でも、だからってそのまま通しちゃダメでしょ。もっとほかの方法考えようよ。 前回の2体にしてもそうだったけど、一つの目標を達成のするために犠牲にしたものが多過ぎる気がします。 考えに考え抜いた結果ならそれも止むなしだろうけど、とてもそうは思えないんだよなぁ。始めから考えるのを放棄して安易な方法を採ってるように見えて仕方がない。 素人が好き勝手言ってるよ……なんて、腹を立てる人もいるかもしれませんが、実際にこれを買う人はほとんど素人ですしね。 そんな素人の、率直な感想を書くのがこのサイトなので。 そんな感じで、レビューに移ります。 ランページ ロボットモード ランドセルよろしくがっつり背負ったこの謎のユニットこそ、PP版ランページ最大のネック。 その正体は、合体用のジョイントです。 合体時の強度と安定性を考えてのことでしょう、ジョイントがそのまま肩関節も兼ねているんですが、UW版デバスターの場合は腕部担当のスカベンジャーとボーンクラッシャーのキャタピラ部分がその役割を果たしていたものが、ランページではこういった仕様に。 そしてこの、見た目通りのお荷物がビーストモードに多大な悪影響を及ぼすことになります。 なお、本来左胸にあるデストロン(ディセプティコン)マークはシールでの再現となります。トロックスとヘッドストロングはタンポ印刷されてたのに…… ビーストモード 後面 四肢の処理も雑で、ネコ科独特のしなやかさは微塵もありません。とくに後脚はトロックスやヘッドストロングのビーストモードと大差ないです。 尻尾は付属の銃での再現ですが、それも取って付けた感しかありません。 ビーストモードに限っていえば、今回リメイクされたアニマトロン5体のなかで間違いなく最低の出来です(悲)。 合体モード
ダイブボム ロボットモード 日本では “ダイムボム” と呼ばれていました。肩書きは空中攻撃兵。 でも、名前からすると対地爆撃兵とするほうが正しいと思います。爆弾らしき武器は持ってませんが。 今回のリメイクにおいてロボット、ビースト、合体モードの三形態ともでもっとも破綻なくまとまっているのがこの方。 背中のウイングユニットが合体時基準で幾分大型化したせいで背負ってる感はすごいものの、ランページや脚コンビの後ろ姿に較べれば随分マシです。 ユニットを外せばランページ同様合体用のジョイントを背負った格好になりますが、本体と密着しているぶんそこまで違和感はありません。 なんでランページも同じ仕様にしなかったのか…… 本体のプロポーションもほぼ問題ないんですが、唯一気になるのが頭部……というか顔ですね。 ビーストの口を開くとロボットのフェイスが現れるという構造なのですが、そのせいで常に顔を前に突き出しているような格好になっています。 首の回転位置よりも顔が結構前に出ているので、左右に振るとまた妙なことに…… あと、彼も胸のデストロンマークはシール処理になっています。ウイングのほうは印刷なのに。 ビーストモード(飛行状態) メカイーグルにトランスフォーム。 公式ではこの状態が基本形態のようです。 ウイングユニットが大型化したことで、実感としてはメンバー5体のなかで一番のボリュームになりました。ウイングを最大まで展開したときの表面積はかなりのもの。 ただこの状態ではとくに、あくまで本体の上にウイングユニットが乗っかっているだけ、という印象です。 ウィングが基部ごとスライドするなりして、ちゃんと “身体から生えている” ように見せるくらいの工夫はあってもよかったかなぁ。 また、オリジナルではウィングに装着していた武器は胴体側面への装着に変更。形状自体も手持ちの銃タイプからキャノン砲タイプへと変更され、合体時には両肩に装備されます。 ウィングのゴールド部分はすべてシールでの再現。大判のシールの、実に半分ほどの面積をそのウイング用のシールが占めています。ここは塗装であってほしかったなぁ。 ビーストモード(直立状態) 背面 合体モード
比較画像 やはり、旧トイから一番印象が変わらないのがこのヒト。 こちらもサイズ感はだいたいランページの場合と似た感じ。 ウイングユニットの大型化の弊害で、ビーストモード……とくに飛行状態でのプリポーションは尾羽の形状も含めて旧トイのほうが鳥らしいかなぁ。 なお、2010エディションのウイングも裏面はシール頼みですが、正面はちゃんとゴールドで塗装してあります。 2010エディションではダイブボム(ダイムボム)は左腕担当なので、ランページ同様そのように。 UW版デバスターより、同じ腕部担当のメンバーと。 左腕担当はボーンクラッシャー。右腕担当はスカベンジャーです。 トロックス、ヘッドストロングの2体は同じ脚部担当のビルドロンよりも一回り大きいサイズでしたが、今回の2体はほぼ同サイズ。 最後に同僚で並べて。 脚部担当の2体は互いのパーシャル関係でしたが、こちらは変形モチーフがまったく違うので構造もまったく違うと思いきや、当然合体用ジョイントの形状は共通ですし、脚部の変形パターンやその他細かいところで共通する部分は多いです。 いっそ完全にパーシャル構造だったら、ランページのビーストモードももう少しマシになってたかもしれない。 以下、イメージカット 形状うんぬんよりも、僕はグリップとなる5㎜軸の短さが気になりましたね。手に持たせるのに、短過ぎて浅いんですよ。 これはランページ用のものだけでなく、ダイブボム、レーザークロウ用の武器でも同様です。 最後の画像は2010エディション付属のオリジナルの武器を持たせたところ。 最初の画像は腰を捻ることでスタンドを取り付けましたが、なんでこうせっかく付けた機能を殺すようなことを兵器でするんだろう? それとも、なんのために穴を開けてるのか理解してない? 最後はオリジナルの武器を装備して。 以上、“PP プレダキング” から、“ランページ” と “ダイブボム” でした。 初期のトランスフォーマーは、ビークルやビースト……要は変形後のフォルム重視で、ロボットモードのプロポーションは二の次という印象でした。 ここ最近のアイテムは、おおむね高いレベルでロボット時と変形後のプロポーションの両立は達成されていると思いますが、それでもやはり比重がまったくイコールということはないでしょう。 むしろ最近だとロボットモードのプロポーションをこそ重視して、逆にビークルモードがよくわからないモノになってしまっているヒトもいますしね。トリプルチェンジャーなどの多段変形アイテムやコンバイナーともなるとなおさらです。 今回のPP版アニマトロンの5体は、明らかに合体モード=プレダキング時のプロポーションを最優先に開発されています。 余剰パーツを最小限にし、かつ合体時の安定性、保持力を重視した結果、単体モードへがっつり皺寄せがきてしまったという格好です。 それでも、ロボットモードはまだいい。少なくとも正面から見るぶんには、プロポーションは問題ないし、可動も(理論的には)標準レベルをクリアしているから。 問題はビーストモードですよ。 まさか平成も終わろうという年に、見た目も悪けりゃ動きもしない、こんなに酷いビーストモードを見ることになるとは…… ランページのことですが。 今回のリメイクの優先順位はプレダキング>>単体ロボットモード>>>>単体ビーストモード、くらいだったようで。 ほぼ不満と失望ばかりをぶちまけたところで、今回は終了。 次回、連続レビューの最終回でこれまでの鬱屈は晴らされるんでしょうか? そんなわけで近いうちに更新しますので、またのお越しを。
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