HMM バーサークフューラーの発売からおよそ5年半。ようやく登場のシュトゥルムテュランです。 ライバル機(あくまでバーサークフューラーの)のライガーゼロのCAC(チェンジングアーマーシステム)3種はわりと早い段階でリリースされたのに、シュトゥルムユニットの発売まではけっこう待たされましたね。 まぁ、ライガーゼロのCAC3種がアニメにもちゃんと登場してたのに対して、バーサークフューラーのシュトゥルムユニットは確かアニメ未登場でしたしね。仕方なかったかも。 出典の “ZOIDS妄想戦記” は、ゾイドの公式サイトに掲載されていたWEBコミック。 登場するゾイドたちは、99年のアニメ放送以降に発売された、いわゆる第二期ゾイドの仕様変更機で、実際に既発売商品のリカラーやカスタマイズパーツをセットにした内容でハピネット限定品として発売されました。 僕も何種類か持っていますが、このシュトゥルムテュランは未所持。 なので、この赤い機体はある意味新鮮です。 今回、僕は普通に “HMM 045 シュトゥルムテュラン” を購入しましたが、他にも “HMM 045 CAC バーサークフューラー専用 シュトゥルムユニット” 、そして “HMM 045 LIMITED シュトゥルムテュラン バーサークユニットセット” が同時発売されています。 前者はバーサークフューラーとカラーを合わせたホワイトカラーのシュトゥルムユニット、後者はシュトゥルムテュランにレッドカラーのバーサークユニットをセットにした内容になっています。 後者はコトブキヤショップ限定なのですでに入手は困難だと思いますが、興味のある方はどうぞ。 といったところで、レビューに移りたいと思います。 キットは素組みオンリーでの仕上げです。 素体 CAC(チェンジングアーマーシステム)搭載型ゾイドということで、外装のほとんどを外した素体状態にすることが可能。 ところどころに赤い外装が残ってますが、これが公式の状態。それを無視してもう少し外すことも可能ではありますが。 ただやっぱり、HMM版の追加仕様で構造が変わったために外装が残ってしまっている尻尾先端が、違和感と言えば違和感。 全体的なフォルムは細身で、本来のモチーフであるティラノサウルスというよりはもっと小型の肉食恐竜っぽい姿になっていますが、これはこれで格好いいと思います。 各間接部は堅めの調整が成されていて、どこもへたることなくしっかり2本の脚で自立。少なくとも今のところは…… シュトゥルムユニット装備 シュトゥルムユニットを装備したことで一気にボリュームアップ。 重量も倍近くに増加しますが、足首の関節構造が見直された(硬質パーツに変更)ことでこの状態でもしっかり安定。少なくとも今のところは…… 全体的に鋭角なシルエットになったことで、素体状態とはまったく違う印象に。とくに頭部の形状ががらりと変わり、凶悪かつヒロイックなイメージはまさにライバル機といった雰囲気。 全身の赤い装甲は単色ではなく、明暗2種のトーンで色分け。すべてではありませんが、だいたいバーサークフューラーとの共通部分が暗い赤。新規シュトゥルムユニット部分が明るい赤になっています。 でも正直、この色分けは必要なかったかなと思います。尻尾とか、先端部だけ明るいのはやっぱおかしいし。 どうせなら、上部装甲は明るくして下部装甲は暗くするとか、もっとデザイン的に生える色分けにしてほしかった。まぁ、ランナー構成的に難しい話ですが。 武装 & ギミック アクティブシールド & エクスブレイカー エクスブレイカーは上下で刃の長さが若干違います。可動部は二重関節で様々な表情を付けることが可能。 アームおよびエクスブレイカーを最大まで伸ばした全長は本体のそれに匹敵します。 しかし、アームは思ったほど自由には動かず、可動部の堅さもあってポージングにはけっこう苦労します。ただ、可動部にはこれくらいの堅さがないと重さに負けてしまうと思うので、そこはしかたないかな。今のところはしっかりポーズを維持できます。少なくとも今のところは……(3回目) シュトゥルムブースター & ハイマニューバスラスター 小さいほうの2基はバーサークフューラーとも共通の基本装備となるハイマニューバスラスター。こちらの可動は上下のみで、下部カバーが展開。 バスタークロー& レーザートーチ 荷電粒子砲発射形態 ジェノザウラーの流れを汲む荷電粒子砲発射形態。 頭から尻尾先端までを真っ直ぐに伸ばし、各部の放熱フィンを展開。さらに脚部アンカーを下ろした状態になります。 ただ相変わらず、首のフィンと頭部外装が干渉して上手く一直線にできません。(後頭部の装甲を上げてやればもう少しマシになることに、撮影後に気付きました……) あと、そもそも荷電粒子砲の砲身が上顎から斜めに生えているというキットの構造上、どうしても隙間が生じるため、一本のラインが身体を貫いてるという感じがしないので、若干モヤッとしますね。 このへんはまぁ、元がもう六年近く前のキットですし、仕方なかったかな。今一から開発してれば、また違ってたかも。 でも、このギミックこそジェノザウラーから続くライバル恐竜系ゾイド一番のキモなんだから、できれば改善してほしかったというのは、贅沢な望みなのかな? ちなみに荷電粒子砲の砲身はごくごくわずかだけ伸びます。本当、気持ち程度。 バーサーフューラーの時は伸びなかった気が…… ゾイドコア コクピットハッチ 各種比較画像 やはりパーツ構成が見直されたことによる耐久性の向上は大きいですね。 というか、ライガーゼロ脆過ぎ…… まともに立つのもやっとだよ。 最初に買って作ったときにすでにへろへろだったけど、およそ八年経つうちに骨粗鬆症になったのか、ってくらいの酷い有様です。 これは……ほかのキットも一度メンテナンスしたほうがよさそうだわ。 HMM版ではシュトゥルムブースターの長さは少し短く、その分横に厚みを増すかたちで全体のバランスが取られています。一方でアクティブシールドはオリジナルに較べ二回り以上大型化され、上下のエクスブレイカーの長さも調整。外装形状も単純な面構成からHMMならではのスタイリッシュな造形にアレンジされ、オリジナルに漂うオモチャ感は完全に払拭されたといえるでしょう。 最期に同じHMM版のバーサークフューラーと比較。 このヒトもライガーゼロほどではありませんが、各部がかなりへたれていました。とくに尻尾。油断するとすぐ下がる。気の弱い犬みたいになっちゃったなぁ…… さて、バーサークフューラーが比較的オリジナルに近いシンプルなデザインだったのに対し、シュトゥルムテュランはHMM的アレンジがかなり利いた情報量の多い仕上がりに。 基本胴体部分は両機共通ですが、オリジナルでは共通パールだった頭部コクピットハッチも、こちらではそれぞれ専用パーツになっています。まぁ形状はほぼ一緒で、ディティールが若干違う程度ですが。 全体のボリュームは大型のブースターが追加されたぶん、テュランのほうが少し勝っています。色のせいもあってこの並びだとエース機と一般機みたいな感じになってますが、実際戦闘力という意味ではそんなに差はないんじゃないのかなぁ。あくまで仕様変更機だと僕は解釈しています。 ちなみに、僕はこのシュトゥルムテュランは、いわゆるシュトゥルムフューラーのエース専用機で、もちろんそう名付けられた機体は一機のみだと思っていたのですが、実際はフューラーの二次生産型がテュランと呼ばれるようになり、それらは基本シュトゥルムユニット装備なので、すなわち二次以降に生産されたフューラー型の機体はすべてシュトゥルムテュランだということらしいです。一方で、バーサークユニットを装備したテュランを便宜上バーサークテュランと呼ぶこともあるようですが、それは稀な例だとも。 これは妄想戦記のみの設定のようですが、これ必要かな? ただ一機のエース専用機の通称にしといたほうがありがたみがある気がするんだけど…… 適当にアクションカット 可動部は多いんですが、シュトゥルムユニット装備状態だとけっこういろいろな箇所が干渉するので、なかなか思うようなポーズを取れずに苦労します。 各部の保持力は問題ありません(少なくとも今のところ……4回目)が、この状態では構造上足首の可動がほぼ死んでいるので接地性はイマイチ。派手に開脚したりすると、大きな背負いもののせいもあってバランスを取るのが大変です。 普通に立たせておくだけでも十分格好いいです。 インストなどにはとくに記載はありませんが、バックパックの構造はバーサークフューラーから変わっていないので、同様に前部を上向きに展開することも可能。そのうえでブースターやシールドを展開すれば、画像のようなかなりハッタリの利いた状態にすることも可能です。めちゃくちゃ場所とりますが…… 素体状態にすると外装類の干渉が一切なくなるので、全身をかなりフレキシブルに動かすことができます。 胸部と首にはスライド機構が備わっていて、それぞれ前方に伸ばすことで可動範囲が拡大。 この状態では足首関節も自由に動くので接地性も抜群です。なお、脚部は関節をすべて伸ばすと異様な長さになります。 話は変わりますが、いつだったか「HMMでレブラプター発売決定!」みたいな記事をネットで見つけました。 うお! 遂に来たか。やっぱシュトゥルムテュランの発売に合わせてきたな……と思って喜んでたのに、エイプリルフールのウソ記事だったみたい。がっかりだよ。 でも本当、なんでガンスナイパーがHMM化してるのに、レブラプターが今までスルーされてるのかわからない。 アニメでの初登場、けっこうなインパクトだったけどなぁ…… まぁ実際、今後の新作で一番可能性がありそうなのはレブラプターだとは思うんですが。 以上、“HMM シュトゥルムテュラン” でした。 完成度については、すでにバーサークフューラーの段階で証明されていましたので、今回とくに不安はありませんでした。 関節強度についてもまだ今のところ問題はありません。将来的にはどうなるかわかりません(まぁ、十中八九数年でへたれるでしょう)が、こればかりは仕方ないと割り切ります。 完成直後からへろへろでポロリ祭りだったライガーゼロとは較べものになりませんし。 アレンジについては、もうこれは好みですから、気に入らなければスルーすればいい話です。僕は好きなので買いました。造形的には文句はありません。 キットとしてもちょうどいい難易度で、最初期のものほどの組みにくさはなく、かといって最近のものほど大雑把でもなく、ほんとうにちょうどいい組み応えだと感じました。 キット単体としては、十分満足のいく内容だったと思います。価格設定については、まぁ確かにちょっと高いかな、とは感じましたが、そのへんは言っても詮ないことですし。 シリーズ展開としては、一昨年の冬のゴジュラス・ジ・オーガから恐竜モチーフが続いたことで、ちょっともの足りない感じはあります。 というか、15年の末におよそ2年振りにリーズ再開後、2年半のうちにリリースされたキットがたった6アイテム。うち、完全新規が二つだけっていうのは…… さらに、今後の展開については今のところまったくアナウンスがありませんし。 六月に本家トミー(タカラトミー)が12年振りにオリジナルシリーズを復活させるということで、そちらに配慮しているのではないかという向きもありますが、完全に子供向けに舵を切ってしてしまっている感じの本家よりも、こちらのHMM版の充実ほうをオールドファンは願っているように思うのですが、どうなんでしょうか? 一時流れたHMM終了の誤報が現実にならないことだけを切に願うところであります。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
3 コメント
リラくん
19/4/2018 00:21:04
初期フューラー本体のバレル部分は、内部の固定ピンを半分切除すると伸長はおろか伸縮をも可能になりますよ。これは、未接着の本体に限りますがね。
返信
退屈と惰性と
19/4/2018 18:22:15
コメントありがとうございます。
返信
リラくん
19/4/2018 20:13:30
まあ、最近だとRGシリーズでは逆に可動部が硬すぎて市販のシリコンスプレーを吹き付けないと破損率が馬鹿高くて洒落になりませんがね。
返信
返信を残す |
Details
|