トランスフォーマー祭りは一旦中断して、みんなお待ちかね(?)ゾイドのレビューですよ。 “ゴジュラス・ジ・オーガ” から約一年。完全新規としては “デススティンガー” 以来およそ二年振りのHMMゾイドのキットです。 それも “プテラス ジェミー仕様” 以降とんとご無沙汰だった飛行型ゾイドとあって、発表されたときには驚喜したものです。 これで僕の中での大本命、 “HMM サラマンダー” 実現の可能性もぐんと高まった……はず! と、そんな妄想はそこそこに、ストームソーダーですよ。 そもそも “ゾイド” とは1982年にトミー(現在のタカラトミー)が開発し、アメリカで “ZOIDS” として発売。好評だったため日本でも “メカボニカ” の名称で展開したものの振るわず、翌年 “メカ生体 ゾイド” に名称変更。へリック共和国とゼネバス帝国の戦いという世界観の構築とともにそれまでゼンマイ駆動の小型キットのみだった商品群に電動モーター駆動の大型キットを投入。さらにシリーズの代名詞ともいえる “ゴジュラス” が発売され人気が爆発。その後1990年までシリーズが継続することになりました。 それから九年後の1999年。“機獣新世紀 ゾイド” としてシリーズが復活。同時にTVアニメ “ゾイド -ZOIDS-” の放送が開始。従来のキットの色替えだけでなくアニメ登場の完全新作キットも発売され、再びブームに。 いやぁ、このときは本当、衝撃でしたね。 まさかゾイドがアニメに。しかもゾイドそのものはフルCGときた。 その後2001年に “ゾイド新世紀スラッシュゼロ”、2004年に “ゾイドフューザーズ”、2005年に “ゾイドジェネシス” とアニメ作品は続き、それと平行してキットも新旧とり混ぜて相当な数が市場に出回ることになりました。 コトブキヤがHMMゾイドを展開し始めたのは2006年。もう十年以上前になるんだなぁ…… 一方のタカラトミー版ゾイドは2008年にゾイド25周年企画として “リバースセンチュリー” シリーズを展開するも翌年3月に終了。その後しばらくはネット通販などで従来キットの仕様変更品などがリリースされていましたが、さほど大きな動きはなく、2016年に “ZOIDS マスターピース” として “シールドライガー” と “サーベルタイガー” が電動歩行ギミックありの完全新規高額商品として発売されましたが、その後は音沙汰なしという状況です。 ストームソーダーはアニメ第一作に登場した新型の空戦用ゾイドで、旧キットの色替え商品ラッシュが一段楽した2000年3月にリリース。ほぼ同時期に発売されたこちらも新作の “ライトニングサイクス” とともにアニメ劇中でも重要な役どころとなりました。 そんなストームソーダーのHMM版。 これまでのHMM同様のスタイリッシュなアレンジで、オリジナルのようなゼンマイや電動モーターによる歩行ギミックなどはないものの、全身が可動するハイディティールアクションモデルとなっています。 では、レビューに移ります。 キットには水転写デカールも付属しますが、今回は貼らず、墨入れ、塗装もなしの素組みオンリーでの仕上げです。 それまでの共和国製飛行型ゾイドとは一線を画す航空機っぽい流線型のフォルム。 そもそもは帝国で開発されていた機体だそうで、帝国が野生体の確保に難渋して頓挫していたところ、共和国がそのデータを入手。勢力圏内で豊富に確保できたテラノドン型野生体をベースに完成させたのがこのストームソーダー。 要するにプテラスやサラマンダーの系譜ではなく、レドラーに連なる機体なわけです。 そう思うと、なるほどウィングの仕様や戦闘スタイルはレドラーによく似ている。 本体は細身ながらウィングのボリュームがすごく、両方をいっぱいまで拡げると横幅は相当なもの。 思ったよりでかいな……と、製作途中に思いました。 HWWゾイドでは定番の胴体部の可動は、お腹部分が一体型のジェットエンジンとなっているデザインからか、今回はなし。でもそのおかげで従来のキットでありがちだった胴体部のへたれがありません。 関節強度も高く、直立、飛行の両形態で安定してディスプレイできます。 HMM版の定番のゾイドコア内蔵ギミックももちろん搭載。 ストームソーダーでは腹部ジェットエンジンの外装を外すことで取り出せますが、一度組んでしまうと外すのが面倒なくらいはめ込みがキツめだったので、今回そちらの写真はなしで。 初期の連中はもっと取り外しが簡単だった……というか、油断したらポロポロ外れてたもんだけどなぁ。 構造の脆弱さがなくなったのはありがたいけど、今度は逆にいろいろ堅過ぎて、それはそれで別の不安が生じるという…… ギミック等 コクピット開閉 背部エンジンポッド展開 各部ソード展開 腕部武装換装 飛行形態への変形 オリジナルでは頭部とウィング、エンジンポッド部の連動可動と足首の可動で再現されていた飛行形態。 今回のHWW版では基本はオリジナルと同様に、脚部周りに新機構を追加。 脚部付け根のダクト部から延びる装甲とふくらはぎ装甲の連結させることで脚部を一体化させ、さらに踵をたたみ、小型ウイングを展開することで尾翼状にするなど、よりフラットでまとまりのある飛行形態への変形が可能になりました。 ランディングギア展開 適当にアクションカット 巨大なウイングを拡げた姿はやはり迫力があります。 全体のバランスが微妙で安っぽいというか、どうも弱っちく見えたオリジナルに較べると雲泥の差。 ストームソーダーって、こんな強そうに見える機体だったんだ…… 大型ゾイドとしては小さいほうなのですが、ウィングを最大限拡げ、さらにウィングソードを展開した姿はハッタリが利いていてほかのHMM版大型ゾイドにも引けをとりません。 ノーマルのアイアンコング相手なら、展開次第じゃ勝てるんじゃないかな? そんなふうに思えるくらい、総合的にパワーアップした印象。 ちなみにストームソーダーは “テラノドン型” 。 “プテラノドン” じゃなくて、“テラノドン” 。 まぁ、“P” を発音するかしないかっていうだけでモノは同じなんですが、日本では言うまでもなくプテラノドンと呼ぶほうが一般的。 なのにわざわざ “テラノドン型” と表記するところに制作者の妙なこだわりを感じます。 けど、正直どうでもいい。 というわけで、“HMM ストームソーダー” でした。 1999年に “機獣新世紀 ゾイド” としてシリーズが復活したゾイドは、以前に発売されたものの色変えキットのなかにアニメ登場の完全新作キットを投入するというかたちで展開していったわけですが、やはり旧作に較べ新作はいろいろと洗練されていて、どうも並べると違和感があったのは事実です。 まぁ、それらの新作キットは劇中でも新技術を用いた最新鋭機という位置づけであることが多かったので、それはそれでよかったのかもしれませんが。 なかでもストームソーダーのデザインはちょっと異質で、一言で言うとどうもゾイドらしくない。 ほぼ同時期に発売されたライトニングサイクスが抜群にスタイリッシュで格好いいくせにちゃんとゾイドである(笑)のに対して、なんか違うんだよなぁ。 つるっとし過ぎてるのかなぁ? そう思うの僕だけかなぁ? でもまぁ、そんなゾイドっぽくない感じがこのストームソーダーの良さであるようにも思う。 決して嫌いなわけじゃないんです。 むしろ劇中の活躍、パイロットも含めて好きなゾイドの一つです。 今回のHMM版は、そんなオリジナル版での違和感を上手くHMM的解釈として落とし込むことに成功したように思います。 ゾイドとしても航空機モデルとしても中途半端だったストームソーダーが、ゾイドとして、航空機として見違えるほど格好良くなりました。 このHMM版ストームソーダー、今回紹介した一般販売の通常版のほか、ネット通販のコトブキヤショップ限定で “アーラバローネ仕様” が発売されます。 通常版からは一月後れで発売されるそちらは、アニメ第一作で活躍した “アーラバローネ” ことロッソとビオーラが搭乗した機体を再現したもので、 1、成形色の変更。 2、通常版では差し替えだったアイアンクローと二連装パルスレーザーガンの換装を、劇中通りにクローが折りたたまれレーザーガンが展開するギミックを新規造形で再現。 3、翼下に懸架可能なミサイルが六発付属。 4、トップソード、ウィングソードの発光状態を再現した特殊成形色パーツが付属。通常時とは選択式で組み立て。 5、アーラバローネ赤仮面(ロッソ)と紫仮面(ビオーラ)の立ち、および座りフィギュアが付属。 6、フライングベースネオ付属。 という豪華仕様。 デススティンガーのときにも “ヒルツ仕様” が限定発売されましたが、今後もアニメ仕様の発売はそういったかたちになるのかなぁ。 今回僕は悩んだ末に通常版を購入しました。 だって……ねぇ。アーラバローネなら二機ないと意味ないでしょ。 さすがに一万円近いのを二つは買えないわ…… そんなところで今回は終了。 またのご訪問を。
2 コメント
赤仮面
29/1/2018 18:32:35
プテラノドンとティラノザウルス、トリケラトプスはジュウレンジャーのとき商標をバンダイが取得した影響かと思います。ティラノザウルスはサウルスとかトリケラトプスはトップスと逃げ道がありますが、プテラノドンは難しいですね。
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退屈と惰性と
30/1/2018 10:10:05
コメントありがとうございます。
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